ある有名編集者の投稿を見て、キングジム デジタルメモ「ポメラ」DM250を欲する気持ちが一瞬、高まりました。
ポメラは簡単にいうと、携帯しやすい軽量・小型のワープロです。
渋谷「bar bossa」マスターで作家の林伸次さんも愛用されていて、林さんの投稿または直接交わした会話を通じて、6〜7年前に製品を知りました。
ネットには「PCやスマホと違ってネットは使えず、書くことに特化した製品だから、集中できる」というレビューや感想が多いです。
私は作家でも何でもありませんが、集中して何かをアウトプットしたいときがあります。
その有名編集者が「進めたい原稿だけをポメラに入れて出かけて、それだけに集中する」といったことを書いていて「なるほどなあ、いいなあ」と心が揺れました。
しかし、ふと冷静になります。ポメラ、自分に必要だろうか? と。持て余す予感、大だなといった想像も広がります。
というのも、私はApple製品が好きで(最初は「カッコいい」と見た目から入り、12年ほど使っていて慣れている、というのも大きい)、MacBook Airでないと仕事できない身体になってしまっています。
Apple製品ではないポメラを使いこなすのに苦戦して、短時間で集中どころか余計に時間を使うことになり、逆効果ではないかと考えました。
と同時に、MacBook Airを「ポメラ状態に近づける」「ポメラ的に使う」方法があるではないか、とも気づきます。
私の集中力を削ぐ三大巨頭といえば、通知が多いSlackとLINE、そしてタブに数字が積み上がっていくGmailです。
これらに追われない生活をするのが夢なくらい、とくにSlackは好きではありません(笑)。便利なのは分かりますが、コミュニケーションコストが格段に上がり、純粋な効率化・時短化は遠ざかっていると思っています。
彼らを「見えない化」してしまえば、本気で集中したいとき、ほかに誘惑はなくなります。
集中したいとき、SlackとLINEを閉じて通知が来ないようにし、Gmailもタブを閉じてしまいます。1〜2時間それを開かなかったからといって、世界は問題なく回っていくよという思想です。
私の仕事では調べ物も同時に行うこと、Google ドライブを使用することもあり、ネットはつなげたままです。
ただ、調べ物不要な仕事を集中してしたいときは、先ほどの「見えない化」に加え、Wi-FiをオフにしてしまえばMacBook Airはポメラ化します。
しかも、画面は大きくて見やすく、キーボードも慣れ親しんだ打ちやすいモノです。
「あの仕事できる人が使っているから」という安易な憧れからの欲望が生じたときは、欲望は他者の模倣であると解説している『欲望の見つけ方』を思い出すことにしています。
私とその人とは違うのだと頭を冷やし、今手元にあるモノで対応できないかを常に考えたいところであります。
Text / Sonoko Ikeda