ライター業、引退。

「引き際」を考えるようになりました。

私は2020年からプレスラボという編集プロダクションの役員を務めながら、2012年に始めた個人事業主としての事業である「ライター業」を現在も細々としています。

いつかはプレスラボから身を引くときも来るでしょうが、ここではライター業の引き際について書きます。

来年5月、39歳になるタイミングで、いわゆるライター業はすべて手放すことを漠然と考え始めています。

ライター業を12年続けてきて、最近感じたこと、気づいたことを。

前のめりで臨める楽しい取材は多いですが、原稿を書くのがしんどくなってきました。

そのしんどさは年々増しているような気がします。体力はあるはずなので、体力というよりも気力の不足かもしれません。

もちろんルンルンで何のストレスもなく、適正な時間で書き上げられるモノもあります(コウダプロ朝礼noteなどが良い例で超スピード対応です)。

一方で、書き上げるまでが苦しいモノも正直あります。

完璧主義なところがあるため、推敲を重ね、原稿自体は一定の品質を担保できているようですが、力尽きる感覚があります。

会社の仕事がメインですから、個人のライター業は決して多くはありません。個人事業主一本でやっていた頃と比べると、本当に数を多く書いていないと思います。

それでも辛いときがあり、なぜだろうかと考えたところ、「私はライター向きではなかったんだ」との現時点での結論が生まれました。

あれだけ「ライターになりたい」と思い、会社員時代に副業ライターから始め、会社員という安定を手放してライターになったというのに、です。

ライターの先輩たちや同世代、若い人たちを見ていると、ライターになるために生まれてきたような人たちがいます。

彼らを見ていると「私よりライターに向いている人は山ほどいる」ことに気づかされます。

少しの量で疲労感をおぼえている私は、ライター界を立ち去った方がいい。その方が、仕事が若い人たちに循環していく。そうも思いました。

おそらく、今抱えている仕事をそのまま続ければ、一定のアウトプットは出せると思います。

でも、それでいいんだろうか。居座るのは違うのではないか。とも考えているのです。

手放すのは怖いことです。今まで手放したことがなかったから。

でも、手放したら必然的に時間が生まれ、「新しい何か」に取り組むことになります。残りの時間は、その「新しい何かとは何か」を自問自答するのに充てたいと思っています。

Text / Sonoko Ikeda

▼「引き際」を考える本▼

仕事の辞め方