真夏のプチ土産に、ミニ羊羹を一本。

この季節「サマーギフト」と検索すると、フルーツの冷蔵便やアイスクリームの冷凍便などが目にも涼やか。

気温と湿度だけで疲弊してしまう真夏の体を労るギフト、いろいろありますが、住所を知るほどの距離感ではないとき、どんなアイデアがあるでしょうか。

真夏に贈る相手をケアするギフト。ライターの私なりに、ちょっとした意外性をもってひとつご提案します。

 

コロナ以降、手渡しでなくてもデジタルを介して気軽にギフトを送れるようになり、互いの住所を知らなくても、SNS間でカジュアルに送れるギフトサービスも簡単に使えるようになりました。

もちろん、特別なお祝いやご挨拶ということならe-gift(デジタルギフト)で冷蔵・冷凍品をお届けする手段もありますが、顔と顔を合わせて渡したい本命の「手」土産となるとそうはいきません。

本当は口当たり、喉越しのいいプリンやゼリーを贈りたい。

「夏の間、私の周りにつきまとう冷蔵庫」なんてのがあればどんなにいいだろうと叶わない理想を思いながら、会える確率が高いときと場所なら、保冷剤を入れて出先にテイクアウトをしていくのが最も手頃な私の戦術です。

もちろん真夏の炎天下、外的環境の暑さでたちまち溶けるアイスや自分の朝食代わりに持参したいヨーグルトだって、保冷剤を入れても厳しい。

「−10度以下で保存」と書かれたひんやりスイーツやスムージー、作ったばかりのデリも、この季節は鮮度が落ちて食中毒の可能性が浮上し、どんなに細心のケアをしても難しい側面もあります。

夏の気温、商品状態と、日持ち。そんなすべての煩わしさから開放されるスマートな良品が意外なところに見つかりました。

小さな体に豆の栄養と糖分、適度な塩分が詰まった、昔ながらのようかんです。

いわゆる「大きい1本の羊羹」は特別な儀礼に相応しく、重量感もある重たい手土産ですが、ミニ羊羹なら相手先の荷物にもなりません。

こちらは気温や状態、日持ちを気にしなくていいし、何しろ、コンパクトにバッグインでも持ち運べる携帯サイズ以下だから、貰う側も持ち運ぶ側も、心も体も軽い手土産です。

座って作業が多い方なら、パソコンの横に置いておけば、気が向いたとき、気軽にペリペリと包みをめくってリモートワークのドリンクのお供にもしてもらえます。

手土産で指名買いされるような和菓子屋ブランドのものがおすすめですが、最近はスーパーでも栄養を意識したネーミングのものも。ミニ羊羹の価値は、健康面や防災備蓄品としても見直されているようです。

 

もう1ポイント、個人的なおすすめの提案。そこにグッドコーヒーがあれば、もっといい。

とろける豆の素材感、脳を溶かすような甘さに濃い目のコーヒーに合わせて、エナジーバー代わりに朝作業のスタートや、午後のもうひと仕事のエネルギー補給ができます。

英語ではペアリングともいう組み合わせの味の妙を「あんことコーヒーのマリアージュ」と表現して人に話していましたが、この初夏に「あんこもコーヒーも豆だね」と私に再解釈を促してくれた方がいたので、「豆アージュ」なんて言葉もいいかもしれない。

涼しい環境でコーヒーを楽しまれる方は、是非あつあつのコーヒーといっしょに、とろける豆の素材感、脳を溶かすような甘さで仕事のリフレッシュをしてみては。

 

ちなみに私は「ありがとうございました」より「ちょっと元気になりました」といった反応で、自分が少し支えになれたとき、心からうれしい気持ちになります。

労いや感謝といった儀礼自体に感謝してもらうことはもちろんですが、ケアにつながる商品情報を体感してもらえるとより嬉しくなれるのです。

ミニ羊羹一本くらいの思いやりを発揮して、誰にでもできる真夏のギフトで隣人を思いやる労いの気持ちを配ってみてはいかがでしょうか。

Text / Anna Koshizuka

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