「シャンプー前にブラッシングをして、髪や頭皮の汚れを浮かすといい」
昔、美容本を読んだか、美髪専門家にインタビューしたときに聞いたか、そんな知識はあったものの、もう10年以上はそんな習慣を忘れ去っていました。
しかし、1ヶ月ほど前のこと。ジムでふと目に入ったテレビ番組で、MEGUMIさんが「シャンプー前のブラッシングの重要性」を力説していたのでした。
テーマは「中年のヘアケア」で、髪が少なくなった、元気がない、白髪が増えたなどの悩み解決にアプローチする内容でした。
『キレイはこれでつくれます』に続き、新刊『心に効く美容』も爆売れ中で、もはや美容家的ポジションも獲得しつつあるMEGUMIさん。
紹介されている物品がやや高級路線だったり、タイアップ感が出ていたりするため、私はそれらを真似して購入することはありませんが、ブラッシング習慣は久々に取り戻そうかなと思ったのでした。
手持ちのブラシで、お金をかけずにできることですからね。
シャンプー前のブラッシング(MEGUMIさん推奨方法は「逆方向に梳かす」こと)では、髪表面に付着したゴミや埃を一定程度取り除くことができるほか、汚れを浮かすことでシャンプーの泡立ちが良くなるといわれています。
それを信じてときどき行っていたのですが、いまいち習慣化されていないため、どうしても忘れてしまうことが多々ありました。
いざ髪を濡らしてシャンプーを手にとってから「あーっ」と気づくのです。ときすでに遅し。
先日、出張先ホテルの大浴場で、同じようなことがありました。
まだ髪を濡らしていなかったのですが、脱衣所まで戻ってロッカーの鍵を開けて、ブラシを取り出して髪を梳かす……という工程は面倒です。
自宅の風呂場なら数歩先の脱衣所に出て行って、さっと髪を梳かす選択肢をとりますが、勝手が違います。
そこでひらめいたのでした。「手を使おう」と手櫛を活用したのです。
手(指)をブラシに見立て、毛流れに逆らうように髪を梳かしていきます。手櫛は十分活用できるじゃないか、という感覚を持ちました。
手はすごい。そんなエッセイを以前も書いています。
そんなわけでこれからもさまざまなケアで、自分の手を最大限に活用していくつもりです。道具はなくても、手が助けてくれます。
Text / 池田園子