今年、日傘をさしている男性が明らかに増えました。それを見て「ほっとする」というのが一番にくる感想です。「うれしい」とも感じます。
キツすぎる日差しや紫外線から自分の身を守る選択肢のひとつとして、日傘を使うのはいいことだと思うからです。
日傘=女性が持つモノ、みたいな社会的なイメージは強く存在し、男性で持っている人は見たことがありませんでした。
少なくとも私が日傘をさし始めた16歳の頃はひとりもいなかった(22年も前の話です)。
高校の最寄り駅から約20分の距離を歩いて通っていました。駅の駐輪場を契約して駅−学校間を自転車で移動する人もいましたが、私は徒歩でした。
駐輪場代を節約したかったのか?
自転車に乗る才能がない、乗ると危ないと思っていたのか?
通学時間をウォーキングの時間として活用したかったのか?
あえて徒歩だった理由はさっぱり思い出せませんが、電車通学組の中ではレアケースだったのは覚えています。
その頃も日焼けをしたくなくて、手っ取り早い紫外線対策として日傘をさしていました。
当時、日傘をさしている学生は私の高校にはいなくて、一部の男子からは「お嬢様おる(笑)」とからかわれた記憶が。
ひとりだけ他の子とは違う行動をするのは、人目が気になっていた当時の私には勇気のいることでした。
ただ、慣れれば「誰も他人のことなんてそんな見てないんだよな」という気づきもあれば、揶揄されたり奇異の目で見られたりするからといって、自分がとりたい行動をやめたところで自分が損するだけだとも悟るのです。
「私は日焼けをしたくない→だから日傘をさす」という、他人軸が入り込む余地のない思考と行動が確立した瞬間でした。
今はまだ少数の男性日傘ユーザーたちも、そういう気持ちがあるのかもしれないなあと想像します。
しかし、明らかに危険な日が続く今、人目など気にせず自分を大切に守ってほしいと願うばかりです。
そうやって22年前に始まった日傘生活ですが、今夏の日差しの凄まじさは過去に類を見ない気がしています。
徒歩のときは日傘をさしていても、照り返しの影響なのか、先日肌の赤みがひどくなり、肌が炎症を起こして、見るからに肌荒れ状態に。
「肌がまあまあきれい」を自負していただけに悲しいです。しかし、肌が荒れても生活は続いていきます。
帰宅後は保冷剤で火照った顔を冷やす、日焼け止めは塗り直す、日傘をさせない自転車時は帽子をかぶる、外出時のサングラスは必須、抗炎症の食材を摂るなど、できる対策をコツコツやっていくしかないのです。
危険な暑さから身を守り、すこやかにありたいと思いますし、守る意識を持つ人がさらに増えることを祈っています。
Text / 池田園子