「顎と首の境目」を保つためにしていること。

突然「失いたくないモノは何ですか?」と聞かれたら、ぱっと思いつくのが「顎と首の境目」です。

(失いたくないモノはいろいろありますが、努力すれば失わずに済むモノのひとつがこれ)

とくに横から見たとき、顎と首の境目が分かりやすくなります。フェイスラインが出ているかどうか、ともいえます。

顔はまんまるですが顎と首はなんとかキープ

「顎は顎、首は首で独立した状態でありたい」というのが持論であり願いです。顎は顎然としていてほしいし、首は首然としていてほしい。

そのほうが生き物として自然だと考えています。これまで顎は顎、首は首という名称を持ってきて、それぞれ役目を果たしてきたわけですから。

逆に、なんらかの生活習慣の積み重ねが引き金となり、顎と首の境界線がなくなって溶け合うのは、むしろ不自然だと捉えているのです。

それは進化ではなくて、顎か首のいずれかまたは両者が退化し、変化していると考えられます。

顎と首の独立状態を保つために意識的にしていることがいくつかあります。

たとえば、スマホは目の高さで見ることです。頭がかくんと前に垂れた状態で、首を折り曲げてスマホを見るという動作は絶対にしません。そんな状態でしかスマホを見られないなら、むしろそのタイミングでは見ません。

頭の重さによって首を痛めるわ、猫背・巻き肩になって姿勢は悪くなるわ、二重顎やたるみをもたらすわで、百害あって一理なしだからです。

スマホを目の位置に合わせると、それだけで良姿勢を維持できます。首と頭の位置もニュートラルです。スマホを見ながらでも視野を広く確保できる利点も。

ついでに言うと、首を上下左右に回したりストレッチしたりして、首の強張りや首とつながる肩の凝り固まりを和らげるよう努めています。

頭を後ろに下げて天井を見る体勢にして舌を突き出して、顎の確かな存在を確認することも。

「舌のポジション」にも気を配っています。「舌の先端」の定位置は前歯の裏の少し上。口腔内を上下で分けたとき、舌全体は上半分(上顎)に収めている、ともいえます。

このポジション取りは、舌の筋トレを常時しているようなもの。逆に舌が下半分(下顎)に下がった状態になると舌の筋力が下がり、顔のたるみだけでなく、歯並びや健康の問題にも悪い影響が及びます。

舌の先端を正しい位置に置くだけで、フェイスラインは変わって見えます。舌を甘やかせず、身体と同じように主体的に筋トレしています。

舌の筋トレというと、口を閉じた状態で舌を口腔内でぐるぐる回す、というのもしています。すごく疲れます……。身体のトレーニング以上にキツいです。

4年ほど前から続けている胸鎖乳突筋のマッサージも有効だと感じています。毎朝スキンケアしながら揉みほぐしています。

耳と鎖骨を結ぶ胸鎖乳突筋は、下顎から胸上部にかけて広がる広頚筋とつながっています。

胸鎖乳突筋が硬くなりこわばると、広頚筋が顔を下へ引っ張ってたるんでいく、という流れ。だからこそ、やわらかくなるようにほぐすのです。

発達した胸鎖乳突筋には自信(?)とこだわりがあり、『胸鎖乳突筋をもめば、一瞬で顔が若返る』(2022年、高橋書店)を企画出し〜執筆協力したほどです。

「自然でありたい」という思い、「不自然は負をもたらす」という独自の思想があります。自然であることを大切にしたいから、今日も顎と首の独立を維持する行動をしています。

Text / 池田園子