保湿と日焼け止めだけでいい。

スキンケアについて考えるとき、ナチュラルながらも美しい肌を持つ人々のケア方法には、ある共通点が見えてくる。それは、シンプルであること。スキンケアアイテムをいくつも重ねるのではなく、化粧水と乳液、あるいは化粧水とクリーム、または化粧水とオイルといった、2ステップ程度で完了するケアを取り入れていることが多い。

このシンプルさの背景には、スキンケアの本来の目的を理解していることがあると思う。簡単にいうと、外部刺激から肌を守り、バリア機能を維持すること。肌は、紫外線や乾燥をはじめとする外的要因に常にさらされている。そのため、バリア機能を正常に保つことが、健康な肌を守るカギとなる。過剰なケアは、時に肌のバリア機能を低下させることもあり、むしろ基本に忠実でシンプルなケアが大切だと、スキンケアについて学びながら繰り返し実感する。

さらに、私が感じるのは、保湿と日焼け対策こそが美肌の根幹であるということ。日々の保湿と紫外線対策を怠れば、その努力は水の泡になりかねない。特に、日焼けによるダメージは肌に深刻な影響を与えるため、日焼け止めの使用は欠かせない。

私は一時期、オーガニック製品に夢中になり、日焼け止めの代わりに日焼け止め効果が期待できる植物オイルを使っていたことがある。「肌にやさしい製品を使う」ことはかなったかもしれないけれど、結果としてシミが増えてしまい、いいことはなかった。それ以来、日焼け止めを欠かさないケアに戻した。

クレンジング・洗顔後の肌を保湿し、日焼け止めで紫外線から守る。それだけで、肌は健やかさを保つことができる。

結局、スキンケアの基本に立ち返り、自分の肌が本当に必要としているモノを与えることが最も大切なのだろう。誰かがいいと言う製品が、自分にもしっくりハマるとは限らない。肌の基本構造や働きを理解して、シンプルで本質的なケアを続けることで、健やかな美肌は自然と育まれていくのだと思う。

Text / 池田園子

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