毎朝の筋トレが歯磨きや洗顔と同じレベルの習慣になっていると気づいたとき、うれしくなった。朝起きて、かるい朝ごはんを食べて、歯を磨き、日焼け止めを塗って、7〜8時台に自転車でジムに向かう(片道1.6kmほどだけれど、歩くのは飽きてやめた)。
一連の動作は「流れ」そのもので、ジムに行くのを億劫に感じることはない。ジムに行くための準備をして移動しトレーニングをするところまでが、歯や肌のケア並みに日常に溶け込んでしまえば、「今日はお尻のトレーニングか。しんどいな」「行きたくないな。面倒だな」という思いは浮かばず、むしろ「当たり前にやること」として身体が自動的に動く。
朝の運動から新たな1日が始まることで、心身ともに目覚め、1日の最初にハードな動きをやり切ったことで、爽快感が続く。
午後や夕方に時間をつくってジムに行くこともあったけれど、この「朝のルーティン」は今の自分にフィットしている。
続けることで進化を感じられるのも、習慣化に至ったひとつの理由だと思う。
たとえば、お尻強化の一環として取り入れている「ヒップスラスト」というトレーニングがある。
ベンチにもたれかかって肩甲骨の下あたりを当てた状態で、脚を腰幅程度に開いて、重しをつけたバーベルを脚の付け根に置く。足の裏で床を押しながら骨盤を持ち上げて、肩から腰、膝まで一直線にしてキープした後、ゆっくり戻す……といった動作を繰り返す。
40kg程度からスタートして重量を少しずつ上げていくうちに、今では70kgという自分の体重+15kg程度を持ち上げられるようになった。女性でも100kg上げる人はいるようで、彼女たちと比べるとひよっこではある。でも、人と比べることをせずに、そんな重さを上げられるなんて考えられなかった「1年前の自分」と比べると、変化しているのは確かだから自信になる。
もちろん数字がすべてではない。でも、自分が扱える重さが上がっていくのは、目に見える成長を実感できる瞬間であり、そこに成長を感じてうれしくなる。
私がジムに行く理由は単純で、健康的な心身を維持したいから。そして、身体を動かさないと気分が悪くなる。食べることも飲むことも我慢したくはないし、実際にまったく我慢していない、ということもある。そのために筋肉量を増やす試みをし、メンテナンスすることは、自分にとって欠かせない習慣になっている。
人生の楽しみを失うことなく、健康的に生きられているのは、毎日のトレーニングのおかげも大きい。これが見事に習慣化されたことを喜ばしく感じているし、まだ踏み出せていない人にも勧めていきたいと思う。
Text / 池田園子
【関連本】『筋肉語辞典』