本との付き合い方について改めて考えてみました。基本的に本にはお金を惜しまず、欲しい本があればすぐに購入します。コミックレンタルやKindle Unlimitedなどのサブスクも含めると、月に3〜5万円ほどを読書に投資していると思います。昔から紙の本が好きで、未読の本が家にたくさんあるにもかかわらず、次々と購入しては積読状態になることもしばしば。買うペースが読むペースに追いつかず、結果として手元に置いたままの本がどんどん増えてしまいます。
とはいえ、この積読の習慣はあまり良くないと感じています。大体2年に一度する引っ越しのタイミングで、まだ読んでいない本を箱に詰めるのは毎回憂鬱です。梱包や荷解きが億劫になるため、できるだけ荷物を減らしたいと考えるようになり、少しずつ電子書籍も取り入れるようになりました。
最近では、紙と電子の両方で発売されている本は原則として電子書籍を選ぶようにしています。最初は紙の本にこだわりがありましたが、人間の「慣れる力」は驚くべきもので、今では電子書籍の便利さを大きな価値だと感じています。
たとえば、電子書籍では文章にマーカーを引くことができます。Kindle端末でいうとハイライトです。ハイライトを付けるのはとくに重要だと感じたり、あとでブックレビューを書いたり、著者に感想を伝えたりする際に見直す部分。端末上で自分が線を引いた部分だけを一覧できる機能は効率的だなと思います。さらに、電子書籍は検索性が高く、特定の内容をすぐに探し出せるので、時間を節約するのにも役立っています。
一方で、私は近所の図書館も頻繁に利用しています。図書館をあまり利用しない人は知らないかもしれませんが、今ではWebで本の予約ができ、用意ができるとメールでお知らせが届くという、とてもありがたいシステムが整っています。久々に図書館を利用し始め、この便利さに感動したものです。
特に、一度読んだら満足する本や、仕事の資料として少しだけ参照したい本に関しては、図書館で借りることが多いです。読み始めて「手元に置いておきたい」と思った本があれば、後から購入することも。
ただ、気づいたのは、図書館で借りた本は自分で購入した本ほど真剣に読まない傾向があることです。税金で運営されているとはいえ「無料で借りている」という感覚がどこかにあり、読み進める際の気合いに欠ける気がします。流し読みや、興味のある部分だけを読むなど、気楽な読書になりがちです。でも、この気軽さこそが図書館の魅力でもあると思います。
基本的には本を購入しつつも、図書館という公共のリソースを活用することで、とても充実した読書生活を送っています。荷物を増やさずに読みたい本にアクセスできる、このバランスの良さが心地よく、これからもこのスタイルを続けていくつもりです。
Text / 池田園子
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