ニキビや吹き出物のない私の肌は、比較的健康的に見える方だと思いますが、年齢相応の毛穴やしみ、そばかすは少なからずあります。鏡に顔を近づけると、こうした「肌の改善ポイント」が確かに目につきます。でも、それを隠そうという気持ちにはなりません。むしろ、化粧品を重ねすぎず、肌をかろやかに保ちたいという思いが強いのです。
普段のスキンケアは、化粧水と乳液(あるいはクリーム、オイル)で保湿をした後、日中は日焼け止めを塗るだけ。ベースメイクにかける時間は数十秒で終わり、それがとても心地よいと感じています。自分の皮脂と日焼け止めだけでシンプルに整えた肌の状態が、何より自然でラクなのです。
そのため、下地やファンデーション、コンシーラー、パウダーは使わず、いわゆる「肌のアラ」を隠そうとも思っていません。美容医療やメイクで陶器のような肌を実現されている方と比べると、確かに私の肌は「世間で認知されている美肌」基準には達していませんが、トラブルがない肌はそれだけで健康的だと考えています。
また、よく考えてみると、誰かと話すときに、相手の肌の細部にまで注目していることはほとんどないはず。毛穴やそばかす、しみが何個あるか見つけてやろう、というような意地悪な人、暇な人などいないでしょう。いたとすれば、観察結果を伺ってみたいですが、多くの人が相手の全体的な印象を見ているだけだと思います。
私もトータルで見ています。ただ、健康には関心があるので「肌という“人体で最も大きな臓器”が健康に見えるかどうか」には着目します。ただ、相手の毛穴やエイジングサインまで注意深く観察するつもりはありません。会話に集中して、その時間を楽しむことが一番大事ですからね。
ベースメイクは極力シンプルに、必要最低限に留める。それが私にとっての快適な選択です。自分がすこやかで自然な肌でいられること、そしてそのことで心もまたすこやかでいられるように、このノーファンデーションの生活を続けています。ノーファンデ生活に興味のある方は、一度試してみると新鮮に感じられるかもしれません。
Text / 池田園子
【関連本】『美肌のために必要なこと』