なぜ乾麺の袋は密閉しづらい形状なのか? 「理想」も言いたい

蕎麦やそうめん、ひやむぎ、パスタなど、乾麺のパッケージを開けるたびに、毎回思う。「チャック付きまたは封筒のような形状のパッケージにしてほしいな」と。一般的なスーパーに並んでいる乾麺の細長い袋は、麺の長さギリギリのところで終わっていて、一度上部を切り取ると再度密閉するのがとても難しい。

実際、使い切れずに残った麺を保存しようとすると、湿気が入らないように何かしらの対策をしなければならない。でも、その対策が面倒だし、なんとかならないかなと思う。パッケージには蓋がないから、苦肉の策としてラップを取り出し、袋の上端、はさみで切り取った断面に無理やりラップをかぶせて、どうにか密閉したと思い込むしかない。気持ちの問題。でも、ラップがずれたり、空気が入ってしまったりして、完全に密閉するのは難しい。見栄えも良くない。

考えてみれば、チャック付きやボタン付きの封筒のようにパチッと閉じることができるパッケージがあれば、どれだけ便利だろう。密閉しやすくなるし、湿気を帯びる心配も減る。わざわざラップを切り取って使う手間もなくなる。なぜ、麺の長さギリギリのパッケージなんだろうか。不思議でならない。

と、ここまで文句をたらたらと垂れ流して、気づくことがある。そうか、乾麺は基本的にはファミリー向けに販売されていて、一度に使い切る消費者の方が多いのか。だから、残りを保存する必要がなく、ああいうパッケージなのかもしれない。

でも、ひとり暮らしの人も多いよ? 家族であっても少人数や少食の場合に余ることはあるだろう。まあ、そういうときは「麺収納袋」のようなモノを用意して、それに袋ごと入れればいいのか。

ネットを見るといろいろな試行錯誤がある。「袋の上ではなく、袋の横を切ればいい」というアイデアもあり、それは考えてもみなかったなと気づきを得た。でも、くるくる巻いてテープで留めるのには時間がかかる。

しかし、もしチャック付きや封筒タイプのパッケージが実現すれば、助かる人は少なくないと思う。極論、チャックタイプや封筒タイプにしなくてもいいから、麺の長さ+5cmほどパッケージを大きくしてくれれば、袋の断面をラップで覆うなんていう不格好なことはする必要はなく、パッケージを折り曲げてテープで貼れば良くなる。

一度で使い切る人向けには既存のパッケージを、一度で使い切らなくて保存しやすい形状のパッケージが欲しい人向けには少し高めな新パッケージを、というように2種類発売してくれないかしら。

というわけで、蕎麦やそうめんのパッケージ改良を心から望んでいる。今日もまた、ラップを手にしながら、そんな製品が出てくることを願っている。

Text / 池田園子

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