この「SAVOR LIFE」という場を運営し始めてから、1年半が経ちました。ここは、私が自由に、好きなことを書ける場であり、私が書いてほしい人に寄稿してもらえる場でもあります。好きなときに好きなことを書けるこの場所は、私にとってとても大切なものです。日々コツコツと続けていますが、これからどれだけ花開くかは自分の在り方やそれによって変わる運次第だと感じています。
先日、約4年ぶりに旧知の方とお会いしました。その方は現在70代後半の某企業の社長で、8年ほど前に交流が始まったときから「あなたは書き続けた方がいい」と、変わらず言い続けてくださっています。今の私がどんな文章を書いているかはおそらく知らないでしょう。8年前に出版した『はたらく人の結婚しない生き方』はご存知ですが、このメディアについてはご存知ないはずです(笑)。昨日、連絡を取った際に最新の記事をお送りすると「相変わらず素敵な文章ですね!流石です!」とお世辞的な返信をいただきました(笑)。それでも「あなたの生き方や日々の経験は、文章にしていくべきだ」と、根拠もなくまっすぐにそう言ってくれるのです。
私は、自分の文章が特に上手いとも面白いとも思っていませんし、ドラマに満ちた波乱万丈の人生を歩んできたわけでもありません。世の中には圧倒的なストーリーやキャラクターで人々を惹きつける人がいますが、私の人生はどこにでもあるような平凡なものです。結婚と離婚を経験し、3年以内で終わった会社員生活、かつて母との間にあった確執……一部を振り返ってみてもどこにでもある話ばかりだと苦笑してしまいます。
それでも「書き続けなさい」と言ってくれるその方の言葉が、私にとって大きな支えになっています。根拠はないのに、ただ純粋に私を応援してくれるその言葉には、不思議と何とも言えない力があるのです。その言葉に励まされ、私の「書きたい」という気持ちが、さらに強くなっていくのを感じています。
皆さんの中にも、そういった方がいらっしゃるでしょうか? 無条件に自分を信じて応援してくれる人。その存在や言葉の特別さに、私たちは支えられているのだと思います。
たった一言でも、誰かにとって大きな力になることがある。そんな支えとなる存在や言葉を、私はこれからも大切にしていきたいと思います。
Text / 池田園子
【関連本】『エッセイストのように生きる』