今日は歯列矯正という「投資」をしてよかった、という話をします。
幼い頃、下の歯が前に出ている「受け口」でした。それを治そうと、小学生の頃に母が費用を出してくれ、歯列矯正に通い始めたものの、途中でやめてしまいました。当時、なぜか鼻呼吸がうまくできず、息ができない歯型を取る時間が地獄すぎたことが理由です。今の自分にとっては?ですが、当時の私には耐えられないほどつらいものでした。
あのとき最後までやっていれば、大人になってから自分で矯正費用を負担せずに済んだのに……と悔しく思いますが(笑)。
その後、成長するにつれ、自分の歯並びや横顔の口元が気になるようになりました。上の歯に八重歯に近い歯があるのも気に入らなくて、笑顔にも自信がありませんでした。そこで、美容への意識が高まり、お金にも余裕ができた20代後半、「きれいな歯並びを手に入れたい」と決心し、再び歯列矯正を始めることに。矯正中の見た目も重視して、歯の裏側に器具を取り付けるタイプを選びました。費用は約150万円、治療が完了するまでに5~6年かかりましたが、やる価値は十分にありました。
器具の影響で食べにくいことや、歯の被せ物の調整など、矯正期間中は細かい不便や苦労があります。それでも矯正を終えて、美しい歯並びを手に入れたときは「本当にやってよかった」と心から思えました。大きな口で思いきり笑えるようになり、写真に写る自分の口元もきれいに見えるように。自己満足ですが、この変化は大きかったです。
歯並びが整うと、美しい歯を保ちたいという気持ちが自然に芽生え、口の中のケアをこれまで以上に丁寧にするようになりました。一方で、矯正によって歯間が狭くなったことで、食べ物が挟まりやすくなる場合もありますが、これは歯間ブラシやフロスでのケアで解決できるので問題なし。むしろ、毎食後にすぐ掃除する習慣ができて、衛生面は向上しています。何よりも、整った歯並びのおかげで自分の歯や笑顔をいいなと思えたことが、私にとって大きな収穫でした。
噛み合わせや顎の位置が変わったことで、身体に何らかの影響があるかもしれません。それを踏まえたとしても、歯列矯正は費用や時間をかけるだけの価値がある投資だと、現時点では実感しています。
Text / 池田園子
【関連本】『33歳からの大人の歯列矯正体験記』