三大欲求のうち、食欲が最も強いと自覚しています。だからこそ、食べたいものは我慢しませんし、食事制限も原則しません。
今年4〜5月、身体の数値測定やカロリー計算、PFCバランスのチェックまでするほど厳格に管理していた時期もありましたが、当時は「◯kg落として身体を絞りたい、お腹の厚みを削ぎ落としたい」という明確な目的があったからしていただけで、今はまったくしていません。お菓子も食べ、お酒も飲み、好き放題でノンストレス(そりゃそうか)。
そんな具合ですから、ひとりで食事をする際、一食一食に対し妥協がありません。かっこいい表現でまとめましたが、単に食い意地が張っているだけとも言えます。そのときに口にするものは、必ず「今日(今)食べたい」と感じるものを選びます。家で食べるときも外食するときもそのスタンスです。
※誰かと食事をともにするときはもっとゆるやかで、「◯◯食べに行こう」となったらとことん楽しみますし、好き嫌いもありません。
家で「玄米(美味しくておかわり確実)、納豆、生卵、ベビーリーフのサラダ、(時間のあるときは味噌汁)、トマト、フルーツ」といった定番の手抜きごはんを食べるのもまったく飽きませんが、外食も好きでチャンスがあれば外で食べます。
たとえば、外出していてお昼時を挟んで複数の予定があるときは、絶好の外食機会です。なるべくそのとき食べたいものをいただける飲食店に立ち寄りますが、時間に余裕がないときもあります。合間に1時間あっても移動に30〜40分かかるとなると、店に入るのは躊躇します。提供されるのに時間がかかれば次の予定に間に合わないかもしれないし、食後は歯磨きをする時間が欲しい。そう考えると控えてしまうのです。
だからといって、コンビニで適当におにぎりとサラダチキンを買って、ささっと済ませることはしたくない。「手軽に手に入る食事で、とりあえず空腹を満たす」というやり方は好きではないのです。身体に取り込みたいのは「今、これが食べたい」と思っている食べ物。その欲に正直に生きていると、身体が本当に欲するものを素直に食しているからか、過度に太ることもないと感じています。
外食する時間がないときは、自分の好きな食べ物を携帯して外出することにしています。お弁当と表現できないくらい簡単なものです。ただ、食べることが好きだからこそ、食事を疎かにしたくない。
先週も微妙な日がありました。予定と予定の合間に1時間15分ほど空きがあったものの、移動に時間を要するため、ゆっくり外食をするのは難しいと事前に判断。当日朝、炊きたての玄米でおにぎりをふたつつくりました。ひとつには祖母が漬けた梅干しを入れて胡麻をまぶし、もうひとつにはゆかりを混ぜ込みました。玄米にはスーパー大麦や小さな豆類も混ぜて炊いているため食感が楽しく、多様な栄養も摂れるので、何杯でも食べていたいくらい好きなんです。
主要なたんぱく源にはゆで卵をふたつ。こちらも朝、おうちシェフProでつくりたてです。それに加え、移動中に阪急梅田駅構内の成城石井に寄って、ミニトマトの小袋を調達しました。おやつにクッキーも買いました。移動しながらでも、好きなものを楽しむ食事を整えることで「今食べたいものを身体に入れる」を実行しています。
私にとって、食事は栄養補給としてだけではなく、一回一回が楽しみであり、幸福感を醸成する大切な時間です。家での食事や外食が叶わないときには、こういった事前の準備を通じて、自分が本当に食べたいものを外出先でもいただくことが私の理想です。私なりの「一食一食を大切にする」在り方です。
Text / 池田園子
【関連本】『なんでもない日のおいしいおにぎり』