「Googleで検索」という行為が、私の日常から少しずつ減っていっています。
PCやスマホでキーワードを打ち込むという、かつては当たり前だった動作が、いつの間にか面倒になっていたのです。代わりに、ChatGPTなどの生成AIを起動して声をかけます。
技術の進歩とともに人の行動は変容する——新習慣が確実に私の生活に根付いているのです。
先日の夕暮れ時のこと。帰宅途中、夕食の献立を頭の中で考えていました。家にある鶏もも肉をメインにすることは決めていたものの、これまでなら「鶏もも肉 野菜炒め レシピ」と検索するはずが、その動作さえも煩わしく感じました。
そこで、ChatGPTアプリを起動し、歩きながら「鶏もも肉と野菜を炒めるレシピを5つリストアップして。簡単に作れるものでお願いします」と依頼したのです。
仕事の速いChatGPTは瞬時に適切なレシピを提案してくれました。食材と工程まで簡潔にまとめてくれて、気が利いています。その提案を元に、帰り道のスーパーで野菜を買い足しました。同時にリストアップしてもらっていた大根を使った作り置きレシピも参照しながら、必要なものを買って帰路に着いたのです。
制作関係のほか、リサーチを中心とした仕事のシーンでも、生成AIに助けてもらうことが増えました。市場調査や競合調査もしてくれます。活用の幅は日に日に広がっています。
日常の些細な疑問に対しても、秘書のように即座に応えてくれる点をありがたく思うばかり。ある仕事をしながら別の作業を進めてもらえますし、歩きながら、料理をしながら——手も目もフリーな状態で、安全かつ効率的に情報を得られ、公私ともにタスクが進んでいくのです。
文字を打ち込む。検索という行為はあと数年で消えていくのかもしれません。この大きな変化は、利便性の向上を超えて、人間と情報との関わり方を根本から変えていくと思います。
その過渡期にいることに、密かな興奮を覚えます。思えば、私が新技術・サービスの登場にここまで心踊らせながら、連日探究心を持ってサービスを使っているのは、Twitter(現X)を使い始めたとき以来です。
生活を豊かにする使い方を目指しています。これからも、AIの活用を通じて得られる発見を記録していきたいと思います。
Text / 池田園子