「ホテル滞在」という家族旅行の新たな選択肢

我が家では、3年ほど前から「近場のホテルに1泊」が流行中。
移動は(家を出てから)1時間以内。朝ゆっくりと起きて、最小限の荷物を持って昼過ぎに家を出ます。
ビジネスホテルのようなシンプルなホテルで、ダラダラと過ごすのが目的です。

きっかけは、休めない私の性格。
性格なのか、こうなってしまったのか、何も考えずにボーっとすることができません。
読みたい本、観たい映画、学びたいことは増え続け、休むよりもそれらに手をつけていきたいという思いが強いのです。
また、常に何かが気になって落ち着かないところもあります。
横になっても視界に埃が入ると拭きたくなり、シンクが汚れていたらスポンジを握り、時計を見ては食事の献立を考え始める……といった具合に、常に頭は動きっぱなしの状態。
「たまには休んだら?」と家族に言われるほど、私は常に動いているそうです。
また、変なところで完璧主義なところがあるため、精神的に休めていないのかもしれません。
これまでは深く気にしていませんでしたが、40代に入ってから疲れが抜けにくくなりました。
睡眠が大事ということも、身をもって実感しています。

そこで、休むことに集中できるよう、年に一度の家族旅行の目的を「ホテル滞在」にしました。
以前旅行した際に、子どもたちに何が一番楽しかったか聞いたところ「ホテル!」「ホテルの部屋楽しかったー!」と言われてガクッときたことがありました。
そんなこともあり、ホテル宿泊の提案に子どもたちは大喜び。
帰省した際に海遊びも山遊びもするため、家族みんなでダラダラする過ごし方もアリだなという考えに行き着きました。

今年のゴ-ルデンウィークは、博多どんたく(正式名称:福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり)に合わせ、福岡市中央区のホテル「クロスライフ博多柳橋」に宿泊しました。
ホテルに行く前に家族の行きたいお店に立ち寄り、パレードを見て、デパ地下で食べるものを購入。
夕方は気分転換に、財布とスマホだけ持って散歩に行きました。
いつも仕事や遊びで歩いている街を、そこで暮らすようにリラックス着で散歩するのは、なんだか不思議でおもしろい体験です。
晩ごはんも、それぞれがテイクアウトしたものを各自が好きなタイミングで食べました。

「クロスライフ博多柳橋」のレストランは、日中~夜は多目的スペースとなります。
夜子どもたちが寝たあとにホテル内のカフェ&バーで飲み物をテイクアウトし、一人レストランで読書したり、少しPC作業をして、いつもより早めに就寝。
翌朝は夫と子どもたちが先に朝食を食べに行き、私はゆっくり寝て、コーヒーだけ飲みに合流しました。

自然豊かで、美しい景色を見ながら過ごせる場所に行きたいと思うものの、子連れだとそこに体を使うアクティビティが加わります。
遠くまで行ってアクティビティをしつつ体を休めるなら、最低でも1週間は滞在したい。
今は夫婦ともにその時間をつくるのが難しいため、休むことに集中できる近場で家族との時間を楽しんでいます。

ホテルは最低限のものしかないため、ダラダラするだけでなく、集中して何かに取り組むには絶好の場所です。
したいことがあるけれど自宅だと捗らないときや、気分を変えて何かしたいときには、ホテル滞在。オススメです。

Text / Asako Yano

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