おでん具材を巡る「じゃんけん対決」が楽しすぎた。

「大人同士で本気のじゃんけん対決」、皆さんは最近いつしましたか?

いつぶりの「じゃんけん」対決だったでしょうか。私にとって何年ぶりかのじゃんけんでした。

それは小料理店での会食の席でのこと。注文したおでんの盛り合わせには、5種類ほどの具材が、それぞれ2等分にカットされて並んでいました。それを3人で分けるとなると「最良の決め方」はじゃんけんだと思い、口にしました。

「じゃんけんで決めましょう!」

共にいたのがノリの良い明るい方々だったからこそ、遊び心のある提案をしやすかったのです。

最初に勝った人から順に一切れずつ選んでいきます。それを2週目、3週目とやっていく流れです。単純なルールながら、びっくりするほど盛り上がったのでした。

「勝負」の行方に派手に一喜一憂し、次は何を選ぼうかとわくわくしながら、ふたりは何を出すだろうかと想像を巡らせる楽しみ。その間、会食はミニゲーム状態に。

じゃんけん対決は一度きりでは終わりませんでした。食材切れでひとつしかオーダーできなかった蛤の酒蒸し。大きな蛤がぷっくりしていて、いかにも美味しそうで、日本酒に合うのは間違いありませんでした。

ひとりだけが食すことができるため、それを巡る勝負のときが再び訪れます。このときには、それぞれが相手のクセを読み、心理を推し量りながら真剣に挑む姿勢が見られました。ずいぶん大げさに聞こえるかもしれませんが、その駆け引きにこそ、格別の面白さがありました。

この経験を通じて、じゃんけんには順番決めという“機能”を超えた“意味”があると気づきます。ご褒美を前にしたちょっとしたゲーム性が、大人たちを童心に帰らせてくれて、場に笑いを呼び込むのです。

これどうやって決めよう? というシーンで、じゃんけんを活用してみてください。場の空気が和やかになり、自然とにこにこする人が増えると思います。

じゃんけんの魅力を再発見した、そんな思い出深い会食となりました。

Text / 池田園子

【関連本】『あたらしいじゃんけんをつくろう

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