「HUB」と聞くと、懐かしさを感じる大人は多いかもしれません。先日、15年ぶりくらいにHUBで飲んできました。
最後に訪れたのはおそらく20代前半、渋谷にある店舗でした。初めて行ったのは大学生の頃。当時、HUBといえば混み合ったナンパスポットという印象が強く、大学時代にナンパしてきた30代半ばのおじさん(当時)と付き合うに至った経験も、香ばしい記憶として蘇りました。
HUBへ行こう、となったきっかけは、大阪出張してきた同い年の友人と飲みに行くとなったとき。Google マップでちょい飲みできる店を探しているとHUBが目についたのでした。
「久々にフィッシュ&チップスを食べたい!」という食欲的理由を添えて、友人の賛同も得ていざHUBへ。
久々のHUB(といっても今回は初めて訪問する梅田茶屋町店でしたが)は少し変わっていました。メニューはQRコードで読み取るスタイルとなり、当時想像もしなかったデジタル化が進んでいます。
20時INだと、思った以上に空いていて居心地がよいです。スポーツ観戦などのイベントがない日であれば、あまり混んでいない・うるさくない空間でお酒をいただけて、意外と穴場かもしれないと感じました。
今回HUBに行ってみて、いいなと感じたのは設備とシステムです。私は長時間座り続けると腰やお尻が痛くなるため、なるべく、あるいは時折立って過ごすのが理想。HUBではテーブルと椅子が高めで、座ることが想定されている席でも、立った状態で食事や会話を楽しめました。
もう一点、気に入ったのは、注文と支払いが都度完結するシステムです。自分が飲みたい分や食べたい分(といっても独り占めするわけではなく「私が食べたいから注文しているだけだけど、もし食べたいと思えば遠慮なく食べてね」とシェアします。いろいろつまみたいから、巻き込みたい)だけを注文し、その場で支払うスタイルはとても合理的。
仮に、1時間で5杯飲む人と1杯しか飲まない私が一緒に食事をしたとき、気の利かない飲兵衛は傾斜をつけることなく、当たり前のように割り勘と言ってきます。これに関してはいろいろな考えがあるでしょうし、私を「ケチな奴」「小さい奴」と感じる方もいるでしょうし、記事1本書けば盛り上がるテーマだと思いますが、私は「さすがにそれはないでしょ」派。中には割り勘原理主義の人もいるのです。
HUBだとそう言った不公平な状況を避けられます。英国風PUBの要素を取り入れているHUBには、合理性と自由さがあると感じています。
そして、今回のお目当てだったフィッシュ&チップス。以前よりも進化していて、一口大のものだけでなく、大きな魚が丸ごと出てくるバージョンもありました。サクサクとした衣とジューシーな白身のバランスが絶妙で、懐かしさと新しさを同時に楽しめる味わいでした。
20代のときに訪れたHUBは、混雑と若者たちの出会いの場というイメージが強かったですが、大人になった今、(早めに行けば)落ち着いた空間で好きなものを楽しめる場所として、その魅力を再発見した気分です。
とくに立ち飲みが好きな人には、HUBはなかなか良い場所だと思います。夜が更けていくにつれて、徐々にお相手探しに来ている人もちらほら見受けられましたが、早い時間に1軒目はもちろん、2軒目として行くのもよさそう。
ひとりでハッピーアワーに行って、おトクにサク飲みしたいし、誰かともまた行きたい!
Text / 池田園子
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