おはようございます、Dr.Taroです。今回は「医療業界の採用現場、ちょっと覗いてみると意外な発見がいっぱい!」というお話にお付き合いください。
医療現場で働く人を採用するって、特別なスキルや人柄が求められるんだろうな……と思う方もいるかもしれません。でも、実際のところ、採用のプロセスは意外とシンプルで「あれ、こんなにざっくり?」と驚かされることも多いんです。
例えば、看護師の採用。その採用基準は「ふわっとしている」ことが多いんです。明確な基準がないまま、どことなく「この人でいいかな」で決まることがあるよう。こういう事情もあって、多くの医療機関がエージェントに採用を丸投げしているケースがほとんど。採用が決まると、エージェントには年俸の数割が支払われるビジネススタイル。効率的には違いないけど、採用が「人手の確保」になりがちで、ビジネスライクな色が強くなりがちなんですよね。
さらに面白いのが、応募者の多くが面接まで進めること。医療機関の採用では、書類選考でバッサリ落とされることは少なく、「実際に面接で話してみて、合うかどうか判断する」が多いんです。ただ、結果的には「総合病院での経験が豊富」「チームに溶け込みやすそう」といった基準で選ばれる人が多く、ここでもちょっとした「見えない偏り」が生まれているんですよ。
採用って、結局「どんな人と一緒に働きたいか」に尽きますよね。明るくて前向き、チームメンバーと気持ちよく関わっていける人が好まれるのは、どの職場でも同じ。でも、医療業界では特にこの「人柄」が大事になってきます。
私の実家は医療機関を運営していました。その現場を身近で見てきたのですが、やはり「円滑に働けるか」「一緒にいたいか」が大切。資格やスキルがあっても、人柄が合わないと「この人と一緒に働くのは難しいかな」と判断されることもありました。このような事情も、看護師という職業の社会的なステータスが上がりにくい一因かもしれません。
さて、エージェントに頼りきりの現状、少し立ち止まって考えてみたいところ。「資格があって性格が良ければOK」的な雰囲気もありますが、それだけで本当にいいのかな? 「この人が絶対必要だ!」といった唯一無二の人材を見つけるのではなく、「業務をこなしてくれる人」が求められているように感じます。
採用って、会社や組織の「価値観」を表すチャンスでもありますよね。多くの医療機関が「こういう人はちょっと……」という基準は持っているのに、「こういう人が欲しい!」というところが曖昧だったりします。でも、もし「うちはこういう人を求めています!」と伝えれば、応募者も「思ってたのと違った!」と感じることが少なくなり、ミスマッチが減るんじゃないかと思うんです。
仕事って、「ただこなせばいい」だけじゃなく、やりがいを感じられることが大事。職場に成長の機会があれば、みんなのモチベーションが保たれるし、「ここで働きたい!」と思える場所になるはず。
成長しない組織は同じ失敗を繰り返し、最終的には誰も寄りつかなくなる。逆に、「成長し続ける」をモットーに掲げる会社は意欲が伝わり、誰もが「働いてみたい」と感じる職場になりやすいですよね。
結論として、質の高い採用のためには、自分たちのビジョンや基準を明確に伝えることが欠かせません。エージェント任せの体制を見直し、「うちはこういう人を本当に求めています!」と発信することで、豊かな職場が生まれます。
もし、エージェントに頼りきりの人事担当者がいたら、一度立ち止まって考えてみてはどうでしょうか?
医療業界で働きたい、そんな意欲ある方に「ここでなら」と感じてもらえる採用が実現できれば、きっと素敵な未来が広がるはずです!
Text / Dr.Taro
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