「振り返り習慣」がもたらす魔法

今月から「振り返りの時間」を毎晩+週末に取り入れ始めました。きっかけとなったのは『振り返りノート習慣』(著:山田智恵)という本です。この本には、毎日の振り返りから週、月、そして年単位の振り返りまで、そのやり方が詳しく紹介されています。

まずは毎日の振り返りを取り入れてみました。具体的には、1日の終わりに、その日心に残った出来事を3つ書き出します。ポジティブなこともあれば、ネガティブなこともある。それを1〜2行で簡潔にまとめ、その出来事からどんな気づきがあったのか、そしてその気づきをどんな行動につなげるのかを書き出します。この作業は1日あたり3〜4行ほど、時間にすると10分ほどで済みますが、1日の行動やそれに伴う心の動きを俯瞰する大切な時間になっています。

これを1週間続けると、合計で21個の振り返りが溜まります。その21個を週末に見直し、つながりのあるものを抽出して、より抽象的な視点で見直す時間をとります。たとえば、ある仕事に関する複数の記述があったとき、それらの点を線にする作業をすることで、「自分が本当に大切にしたいのは何か」「求めている状態は何か」といった問いを導き出すことがあります。そして、その答えを次の行動計画に落とし込むのです。

日・週単位の振り返りを始めて2週間が経ち、1日単位の振り返りは42個、週単位の振り返りは6個、蓄積しました。これまで、頭の中を整理して書き出して振り返るということをしてこなかった私にとって、これは大きな変化です。大変恥ずかしながら、ただぼんやりと考えるだけで終わらせていたことを、初めて言葉として具体化し、書き残すようになったのです。

振り返り習慣を持つタイミングが、これまでの人生でなかったわけではありません。振り返りに関心を持ったのは3年前、2021年のことでした。当時、内省し自分と対話する時間を大切にする友人の話に刺激を受ける機会があり、頭では大いに関心を持ったのですが、心の底では「急を要することではない」と感じていたのかもしれません。結果、行動につながりませんでした。

しかし、今年になり、自らの生き方を見直す過程で、コーチングやカウンセリングを受ける中で、自分の内面に問いかける時間の大切さを実感するようになりました。「今、自分にとって必要だ」と心から感じたからこそ、ようやく習慣として取り組むことができています。

振り返りを始めたことで、心の深い部分から出てきた想いを具体的な次のアクションへとつなげられるようになり、日々のあり方が確実に変わり始めています。もっと若い時期に出会い、自分のモノにしておきたかった習慣ですが、過去には戻れません。いい年になっていますが、今が自分にとって一番若いタイミングであることは間違いない。

人生をより良くするための行動に年齢は関係ありません。何かを始めたいと思ったその瞬間が最も新しい自分であり、スタートを切るのに最適なタイミングです。これからも振り返り→改善→を繰り返す時間を大切にしながら、自分の人生をより良い方向へ動かしていきます。

振り返ることで得た気づきは、反省や記録として終わらせるものではなく、未来を形づくるための具体的なプランを出すための材料。それこそが、この習慣の最大の魅力だと感じています。

Text / 池田園子

【関連本】『新版 ミーニング・ノート

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