ある日、電車の中で。前に座っていた若い人が、ずっと前髪を直していました。これから好きな人とでも会うのだろうか。目にかかる長さの前髪を整え続ける——。その姿を見て、自身の若い頃が思い出されました。他人の前髪をどうこう思う人なんていないというのに、この前髪変じゃないかと自意識過剰になり、少しでもいい感じに見せようと試行錯誤していた頃。その時期を懐かしく思いながら、今では前髪をまったく気にしない自分がいます。
5年ほど前から前髪を作らず、おでこを出すヘアスタイルを続けています。その理由とメリットはいくつもありますが、最大の理由は「前髪が邪魔にならなくて快適だから」に尽きます。
当初は「大人っぽい印象に見せたい」という動機で始めた髪型でしたが、次点には「前髪が額にかかると鬱陶しい。なんとかしたい」という希望もありました。
その後、大人っぽく見せたいという思いを上回ったのが、前髪がないことから来る快適さ。もう「前髪のある人生」には戻れません。無理です。大袈裟ではなく、本当に。前髪を切るか、後ろ髪を切るか。ふたつを選択しなければならないシーンになれば、迷いなく後者を選択します。
前髪なし・おでこ出しには、ほかにもいいことがたくさんあります。あくまで主観的な感想となりますが、箇条書きで整理してみます。
・明るい印象を与える
→おでこを出すことで、明るい雰囲気を演出できます。明るさは必要だと思っていますし、明るい人というイメージを定着させたくて、おでこを全開にしています。周りのおでこを出している人と接しても、全体的に明るく、親しみやすい印象を与えることが多いように感じます。
・視界が広がる
→前髪が視界を遮ることがないため、物理的にも心理的にも開放感を得られます。
・肌トラブルゼロなおでこ見せで、全顔の肌が綺麗そうに見える
→自分のおでこが意外と綺麗であることに気づき、「なら、見せとこか」という気持ちが生まれました。
・顔のバランスが良く見える
→丸顔の私にとって、前髪をなくすことで顔が縦長に見え、全体的なバランスが整って見える効果がある(と念じています)。
・表情が伝わりやすい
→おでこを出すことで、顔全体が見えるため表情や目の動きが相手に伝わりやすくなります。その分、そのときどきで適切な表情でいようとする意識が生まれます。
・余計なことに煩わされない
→前髪を整える手間や、その形を気にするストレスがなくなります。風で前髪がむちゃくちゃになってもかき上げるだけでOK。
前髪を作らない選択は、思った以上に人生を快適にしてくれるものだと再認識しました。前髪なし生活、気になるなあという方は、開放的な感覚を一度味わってみてほしいと思います。
Text / 池田園子
【関連本】『髪のこと、これで、ぜんぶ。』
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