5年愛してる特別なコートの話。

暖かく守ってくれながら、その人らしさを演出する冬アイテムといえばコート。羽織る時間が長いだけに、中に着るもの以上に存在感があるように思います。

私が今手元に残しているのは3着だけ。それぞれが異なるシーンで活躍する特別なコートたちです。思い入れのある3着を1点ずつ紹介してみます。

まずは、品格を感じさせるネイビーのチェスターコート。井川遥さんのブランド「Herato(今はloin.に統合されてる?)」のもので、履歴を見直すと2020年1月に購入。もう5年前ですね。5年愛しているコートは初めてです。

 

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当時の価格は税込で9万円超。あまりの端正なデザインに一目惚れして、「高いコートだけど着たい」と思い切ったのでした。

ほかにはない圧倒的な特別感が宿っていて、どうしても欲しくなって手に入れたところ、大正解でした。やはり美しいのです。

簡単に言うと、縦のラインが強調されるつくりで、余計な装飾がなく、全体的にシンプルで洗練されているという点で、完璧なコート。

美シルエットやミニマムな印象は、以下の工夫によって実現されています。

・ショールカラー(肩掛けをかけたような、なだらかで細長いデザインの襟)に複数本施された縦のステッチ
・前身頃の長めなダーツ(立体にするためのつまみ)で立体感
・背面に深く入ったスリットにより後ろ姿にも立体感
・脇線(身頃の脇の縫い目)上に配置されたポケット

ウエスト周りをキュッと絞っているわけでもないのに、さまざまな縦線のおかげで、体型を美しく見せてくれるデザイン。

肉厚で上質なメルトン生地も触れるだけでその価値を感じさせ、鏡の前に立つとデザインの美に惚れ惚れし、纏うたびに心躍らせてくれます。

5年着ていますが、色褪せない魅力があるのです。数十年着られそうな、永久的な一品です。足先までおしゃれをしたい日に着ています。

34歳の私が奮発して買った、一生物のコートのストーリーでした。皆さんにも「特別なコート」との思い出はありますか? あればぜひコメントやリポストで教えてください。

Text / 池田園子

【関連本】『萬田久子 オトナのお洒落術

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