「禿げ」ですら可愛い、猫という生き物

我が家の猫は健康的です。

療法食を食べていたり、どこかしらを患っていて定期的に病院に通う猫もいるようですが、我が家の猫が病院にかかった回数はほんの数回。

まだ3歳という若さもあるかとは思いますが、食事は食べ過ぎるということはなく適量を食べ、毎日必ず同じような時間帯にモリモリとうんちをし、よく眠り、よく走り回る。

特に快便な点は、飼い主に似たものだと微笑ましくも思うほどです。

ところが最近、久しぶりに病院にかかる出来事がありました。

異変に気が付いたのは夫。猫の首ねっこに「できもの」ができている、とのことでした。

ちょうど夫が猫の異変に気が付いたとき、当方は友人の結婚式参加のため、東北に滞在中。日曜日ということもあり、そのまま夫が避妊手術やペットホテル等でお世話になっている近所の動物病院に猫を連れて行きました。

猫とよく触れ合い、猫によく好かれているのは夫より当方の方。気が付かなかったのは正直悔しい限りでした。

診察の結果は、ノミやダニによる可能性はゼロではないもののかなり低く、皮膚病でもないとのこと。皮膚病であればかなりかゆがるようです。以前も似たような症状で病院にかかったことがありましたが、そのときと同じような感じでは、との見解でした。つまりは、人間にも不調なときがあるように、たまたまかかってしまって、薬を飲ませれば治るよと。

数日分の薬をもらい病院から帰宅した夫は、猫の写真を当方に送ってきました。

病院直後

驚いたことに、毛が一部なくなっているではありませんか! どうやら診察のためなのか、刈られたようでした。

なんとも痛々しい、赤くなったできものがあらわになっています。バリカンで傷ついたのか、できものはぬらりと湿った状態です。

「禿げ」という言葉が当方の頭に浮かびます。猫の禿げ。

痛々しくはあるのですが、一部だけ禿げている状態は、不思議と可愛く見えるではないですか。

猫は「禿げ」ですら可愛いのか。猫の可愛さパワーにまたしても感服です。

病院に行った当日から、薬を飲ませ始めます。強制的に飲ませるのは誤嚥も怖いので、我が家では毎回「誤魔化し手法」を取っています。それは薬を意識させず、「気が付いたら飲んでいました!」となる方法で、つまりはフードやおやつに混ぜ、一緒にまるっと取り込ませるというものです。

今回は、嫌いな猫はいないと言っても過言ではない、麻薬的おやつ「CIAOちゅ~る」に混ぜて食べさせました。猫にとっては知らない間に美味しく、飼い主にとっては苦戦することなく薬を服用させることができるという、なんともWin-Winな方法です。

薬の効果もあってか、生々しかった傷はかさぶたに変わり、今度はかゆいのか舐めたり掻いたりし始めます。

気が付いたときには「コラコラ」と止めつつも、2~3週間ほど経過した頃には、いつの間にかかさぶたもなくなっています。

しかし、「禿げ」は健在。相変わらずなんとも可愛らしい、10円禿げのような「禿げ」です。

意外と生えないんだなあ、このまま生えなかったらどうしようと、少し不安になったものの、1ヶ月半ほどでほとんど元通りになりました。

だいぶ生えてきた

猫の全身を撫でることの大切さ(異変の早期発見に繋がる)と、猫は禿げでも可愛いことに気が付くことができた出来事でした。

Text / poco

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