SNS、noteを抜きにした自分時間の使い方

新年、あけましておめでとうございます。

あらためまして、私はSAVOR LIFEさんのスピンオフ「いつも心にご褒美を」を2023年7月から連載してきたケアライターです。

この年明け、自分のアイデンティティとしてのSNSを手放しました。今日はSNSの世界についてみなさんに考えていただこうと思っています。

ビジネス用でも何個か複数のアカウントを経験し、学生の頃から慣れていたinstagramや、15年も習慣になっていた旧Twitter。そして、SAVOR LIFE連載開始とともに並走してきたnoteです。

2024年はプロの方、アマチュアの方を問わず、自分の心に訴える書き手の方がこんなにもいる世界なんだと思い知った一年でした。

世の中には書くことを生業としていない方で、書く情熱と才能を併せ持った方がこんなにもいるのかという驚きは、ライターの私には「脅威」でありつつもエンパワーメントでした。

2024年は特に異国文化や暮らしの幸せを伝えてくれる方の文章をnoteで楽しく読んでいた毎日でした。そんな私が今、心機一転、SNSやnoteを抜きにした自分時間の使い方を目指しています。

noteも本も、多読するなかで、私が尊敬する書き手の方にはプロ、アマチュア問わず大きく分けて2つの書き方をする方がいると思っています。

ひとつは短くても、毎日書いて投稿し、更新を続けている方。
つまり、見る・読む側の私たち読者にとって「スピード感がある」と映る方です。

もう一つは言わずもがな、頻繁にWEBを更新したり記事や本を出したりしませんが、完成されたエッセイストの方です。この「完成された」というのは私がそう捉える定性的なものであり、ネームバリューという意味ではなく、本を出版されている方もいれば、そうでない方もいます。

では、私はどんなエッセイを書きたいか?と言われたら、現時点ではこれが答えという準備した回答があります。

日常で、どこかしらお世話になっている「自分にはなれないなあ」と尊敬できる多くの職業の方の存在に毎日気づきます。

仕事を掛け持ちしているようなコンビニ店員さんだってそうです。他にも派遣で働く看護師さんなど、自分と同じくらいか年下でさまざまなサービスやケア労働の現場で働く女性とも出会ってきましたが、そんな方々が朝の出勤や夕方の移動中、帰宅中のちょっとした隙間に読んでくれて、ちょっと勇気をもらい、心があたたまる読み物を書き続けていきたいというのが現時点の私の目標です。

毎日息切れしないように、毎日140字くらいの短文で、とスタートしたのが2023年夏からの「5時ようございます」という企画でした。

調子に乗って一日に4、5回も投稿していたら、おかげさまで自分のことを「5時ようの人」と思ってくれる周囲の味方も増えました。

一方で、私が感じた唯一のnoteのデメリットは、自分がぐっと心を動かされたアマチュアの書き手の方々と、実際に深い部分まで交流できないことでした。

今年はSNSやnoteというツールから学んだ「書くことを生業としていなくても意欲の高い方、すでに書いている方」とリアルでも思いを共有する機会にも恵まれたらと思います。

これまでもFacebookをふっと手放した経験があります。その後なんの不都合もないまま、今年で8年目になりますが、いまだにその世界は現役でしょうか。

一度離れるとその世界のことがわからなくなってしまい、気にもかけなくなってしまうのが不思議なものです。

次のSNSでは再登録するかもしれないし、Facebookと同じく知らない世界になってしまうかもしれない。会員制スポーツクラブと一緒で先のことはわかりません。まだ未知数ですが、この年始、私がはじめて出す紙の本が、自分に時間を与えるという意味でケアを考える発話のきっかけづくりにもなりますように。

書くことが生業でなくても人は書き、SNSがなくても生活はある。
そんな意識であたらしい私が始動しました。

2025年も、どうぞよろしくお願いいたします。

Text / Anna Koshizuka(ゆる社会活動家/ケアライター

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