「おはようございます。(名前)です。よろしくお願いします(お辞儀)」
わずか5秒程度の挨拶ですが、自分がどんな表情・姿勢で、どんな声を発し、目の前の人たちにどう視線を配っているか——。
周囲に初対面の人がいるつもりでやってみて、その様子を撮影してみると、気づきがたくさんあると思います。
先日「コミュニケーション教育協会」が提供する講座(私が受講したのは3級)に参加し、ほかの参加者に対し、自分の情報を一切開示しない・口も聞かない状態で、「ファーストインプレッションを全員から評価される」というプログラムがありました。
同じ条件下で、全員が簡単な挨拶をし、それを基にお互いを評価し合うのです。
評価基準は、優しそう、頼りになりそう、おしゃれに興味がありそうといったポジティブな項目から、プライドが高そう、とっつきにくそうといった一般的にネガティブと思われるものまで10項目ほど。初対面の他者に自分がどう映っているかが評価されるのです。
私の結果はというと、「プライドが高そう」が最多で、「とっつきにくそう」「厳しそう」「おしゃれに興味がありそう」も目立ちました。
参加者は自分を含めて10人いましたが、「優しそう」は1票もなく(私はほぼ全員が優しそうに見えて、ほとんどに「優しそう」を入れましたが……笑)、ほぼ全員から「プライドが高そう」と評価されることに。
正直なところ、少しもうれしくありません。フィードバックを受けているとき「えー、プライド高くないのに(悲)」と嘆きましたし、実際付き合いのある人からは「優しい」と言われます……嘘じゃないですよ。
しかし、この結果には思い当たる節がありました。1年前、とある講座を受講した際、私は「自分を良く見せようとしている」と指摘されたことがありました。そのあと、よく見られたい気持ちは捨てたはずなのに、「現実」に戻り、一定の期間が経って、元に戻っていたのだと思います。
この講座を通じて、私は「第一印象はコントロールできるし、自由に印象づけられるよう表現を練習しよう」と決めました。
たとえば、実態はどうであれ「優しそう」な印象を与えたいシーンであれば、笑顔を効果的に使う、話し方をゆっくりにする、声のトーンを柔らかくするなど、優しそうな人の特徴を意識的に表現することで、その印象を与えることができるわけです。
(あえて悪い方に考えると、第一印象のコントロールは悪用できることでもあります。私の場合は第一印象が良くないからこそ、付き合いが長くなるにつれむしろ上がっていったり、仕事の中身で評価されたりというポジティブな展開も、過去にあったのかもしれません)
逆に、「とっつきにくそう」と思われたい場面では、今回の私のような態度で良いのだとも理解しました。たとえば、滅多にありませんが、興味のない人からナンパされたり話しかけられたりするときは、プライドが高そう・とっつきにくそう・厳しそうの3印象を与えれば、よほどの物好きでない限り、それ以上踏み込んでこないはずです。
重要なのは、自分がその場でどう見られたいかを意識し、それに応じた振る舞いを選ぶこと。シーンに応じて使い分ければいい。それこそ、俳優になった気分で。そう考えると楽しくなってきました。
自分にとって不要な要素を取り除き、必要な要素を取り入れることで、自分のベーシックな印象を最適化し、セルフイメージに近づける。そして、そのほかに希望する見られ方に応じて、臨機応変に変えていく。
自分の見え方・見せ方を改めて見直す、良いきっかけとなりました。
Text / 池田園子
【関連本】『「第一印象」の魔法 あらゆる出会いがチャンスに変わる』
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