皆さんは何かを買うとき広告を参考にしますか? それとも身近な人の影響を受けますか?
最近、自分が購買行動に至るまでのプロセスについて、改めて考える機会がありました。広告よりも友人の口コミに着目することは自覚していましたが、とくに「この人の考え方やスタンスが好きだな」と“being”を魅力に感じる友人が、自分にとってのインフルエンサー的存在なんだ、と言語化するに至りました。
そんな友人のひとりが麻子さん。本メディアでの連載(毎月20日)でもおなじみです。彼女は日々考えたことやおすすめアイテムを自身のスタンドエフエムで発信していて、私はすべての回を視聴しています。そこでは麻子さん自身が実際に使って感じたこと、彼女のフィルターを通した飾らないリアルな感想が語られます。
先週は「つなぎパジャマ」が紹介されていました。オールインワンタイプのパジャマで、私はそれまでそんなパジャマがあるとは知りませんでした。彼女がその魅力を長年に渡るユーザー目線をもって語ることで、「なるほど、お腹が出ないのはいいなあ」なんて興味を持ち、すぐに買うわけではないものの、一旦調べるアクションを起こしました。
「しまむらの礼服が思いがけずよかった」という話も印象的でした。私自身、礼服ははるか昔に夏用・冬用を購入していたものの、10年近く着なかったことから人に譲って手放し、以降は手持ちの黒い上下をセットアップに見えるよう組み合わせています。とはいえ、厳密にはフォーマルな礼服ではないため、「買う機会があったらしまむらを見てみよう」とインプットしました。信頼する人の声だからこそ参考にしたくなります。
これがもし芸能人や著名人を起用した広告だったらどうでしょうか。私はその手の広告に惹かれることがほぼありません。資本力のある会社が巨額の広告宣伝費を投下しているなあ——そんな感想を抱くだけ。これが身近な友人で、しかも生活や価値観に共感できる人の言葉なら、その情報を受け入れやすくなり、「この人がいいと言うなら気になる。一度見て、触れてみたい」というフェーズまでいくのです。無闇に所有したくないので、その後買うかどうかは別として。
さらに、もっと詳しく知りたければ、相手に使用感を直接ヒアリングすることもできる利点もあります。
つまるところ、私は「自分が信頼したい人の言葉」を軸に買い物をしているといえます。日常的な購買行動を超えて、その人の在り方や価値観に共感しながら、比較検討して選ぶ行為でもある。だからこそ、そうして選んだモノやサービスは、使うたびに愛に近い感覚を抱き、長く大切にしようとするマインドが醸成されるような気がします。
Text / 池田園子
【関連本】『リファラルマーケティング大全』
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