「行動しないと始まらない。分かっちゃいるけど、一歩が踏み出せない」。そんな人に爆売れしているであろう『行動力 神メソッド55』(一条佳代)を読みました。タイトルも響きそうですよね。「〜〜力」も「神」もハードルが高すぎない数も、書店で目を惹いて手に取ります。
本書は新・講座型ビジネス実践会「THE ONE」に所属し、コーチとして成功を収めている一条佳代さんによる2冊目の著書です。1月からTHE ONEに所属したのを機に、佳代さんのことを知りました。
セルフコーチング・レッスンとして55のメソッドが紹介され、行動力を身につける(高める)ことを目指す人向けの具体的な方法がまとめられています。
私自身コーチングを受けた経験があり、セルフコーチングを実践的に学ぶプログラムに参加したこともあります。また、佳代さんという成功者の書くものにも興味を持ち、本書を買うに至りました。その中でとくに印象に残ったポイントや私が持ち帰ったことを紹介します。
第1章は、すぐ行動する人とそうでない人の違いについて。すぐやる人になる方法として、自分から挨拶をすることや過去の自分と比較することなどが挙げられていました。「1年前の手帳を見て、自分の成長を確認する」方法は自己肯定感を取り戻し、自信を持って行動する助けになりそうです。1年前と比べて1ミリも成長してない、なんて人はいません。何かしらパワーアップしているものです。
第2章は「潜在意識を味方につける心のブレーキの外し方」がテーマ。意識全体の93%くらいが潜在意識とされています。わずかな顕在意識に目を向け、潜在意識に働きかけることが必要ではありますが、人は自然と変化や違和感のあるものを回避します。たとえば、新たな挑戦を前にすると身体が動かない……。それと向き合うための具体的な方法が紹介されています。
ここでは「叶えたいことリストを作る」という方法が印象的でした。その際のポイントとして「不快・不満・不便」といったネガティブな要素に着目し、それを解決する形で願望を導き出すという考え方が提示されています。快適な状態では欲望が浮かびにくいことを考えると、このアプローチはとても有効だと感じました。
第3章では「行動を起こすためのポジティブな考え方」が綴られています。行動できない人は「もし失敗したらどうしよう」といった、まだ起きてもいない不安を抱き、ネガティブなループに陥りがち。対して行動力のある人は仮説をもとに行動計画を立て、さらにタスクを細分化して実行し、振り返りをしながら改善していきます。視界はクリアで、ネガティブな思考が入り込む間はありません。
第4章では3つの「こうどう」が整理されています。「口動(言葉)」「考動(思考)」「行動」です。使命感を持って、口・考・行の3つの動を回し続け、習慣にすることが結果につながると解説されています。
行動の動機には大きく「Want to」「Have to」があり、Want toに基づく動きの総量を増やしたいと考えていましたが、本書を読んで「Need to(使命感を持った願望)」がより大きな原動力となるのだと知ることができました。
確かにWant toという「(心からの)やりたい」以上に、Need toの「自分はこれを実現するために生きている。だから、やりたい」のほうが、より強い行動動機になり、無意識に行動する習慣につながりそうです。
本書は「すぐやりたいけれどやれない」「行動力を高めたい」と思っている人にとって、1時間ほどでサクッと読めて、すぐ実行に移せるアイデアが詰まった1冊でした。小さなことでもいいので、真似してやってみるのが吉です。
Text / 池田園子
【関連本】『行動力神メソッド55』
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