「食べることは生きること」。一食一食につき、今の自分が欲するものを自身に問いかけ、それを摂り入れる私にとって、心の底から共感する言葉です。
そんなコンセプトを掲げて、青森県の最南端にある田子町(たっこまち)で農業を営むみやむ〜さん。化学肥料を通常の栽培の6割程度に抑え、農薬不使用で育てるにんにく「匠」や化学肥料も不使用という自然農法の「極」は、自社の代表的な農産物のひとつで、亡きおじいさまから受け継いだものだといいます。
それらを自社ブランド「みやむ〜のにんにく」として販売し、今や全国各地にファンがいます。なぜ愛されるのか? 後述するように、みやむ〜さんの生き様や姿勢が「応援したい」と思えるものでもあるのですが、もちろん農産物自体の魅力も大きいです。
にんにく特有ともいえる翌日のにおい、えぐみなどがなく、甘くてほっくり、“主役級の具材”として贅沢にたくさん使いたくなるおいしさだから。次の日の予定を気にすることなく普段の食事にも取り入れやすく、気兼ねなく楽しめるにんにくです。
そんなみやむ〜さんが主宰するにんにく料理イベント「みやむ〜Night!」に参加してきました。開催場所はうちから30分もかからず行ける、庄内「カレーサンド屋-だらだらするだら?」。北は北海道から南は四国から参加者が集まっていました。
大阪で縁のある方々の協力を得て開催されたこのイベントでは、みやむ〜さんのにんにくを使った美味しい料理の数々が振る舞われました。

振る舞われた料理の一部
一例を挙げると、野菜たっぷりのサラダに唐揚げ、鶏ハム、南部小麦を使ったうどんのジャージャー麺、ペペロンチーノ……「こんなにいろいろつくってくれてありがとう(涙)!」と感動する品数、ボリューム。
すべての料理ににんにくが使われています。20人分の料理に3kgものにんにくを使用したそう。これらが本当に美味しかった。2月下旬には関東エリアでも開催されますが、すでに満員。私も大阪で再度開催いただけるならまた申し込みます。
イベントでは、みやむ〜さん自身の想いも直接聞くことができました。彼は「食べることは生きること」「生きるということは、食べること」というメッセージを自らの活動、生き方を通して伝え続けています。
・人は毎日何かを食べて生きているのに、食の大切さが軽視されがち
・農業は人々の生を営むのに欠かせない仕事だけれど、豊かに成立させるのが難しい状況がある
こうした課題解決に挑戦していくプロセスのひとつとして、みやむ〜さんは今回のような生産者と消費者を直接つなぐ場を設ける活動をしています。生産者に「美味しい!」と直接伝えられると同時に、生産者とつながる機会を得られるのは、消費者にとっても貴重な場です。実際のところ、農家の方々は消費者と接する機会がほとんどなく、こうして口頭で感想を聞くことは滅多にないそうです。
私も「食べることは生きること」という考えを大切にしています。食べることが人生の楽しみなので、外食を楽しむことも適度にある一方、自分の意思を持って「今日何食べよう」を決めて食材選びをし、料理をしています。
・今、自分が本当に食べたいものを摂り入れる
・つくってくれた方に感謝し、食材を無駄にしない
・生き方、在り方に共感する生産者から直接購入する(できる限り)
こういったモットーがあります。
すべての食材を理想的な形で選ぶことは難しいですが、今回のように共感できる生産者から特定の食材を買うことを少しずつ実践しています。食事は身体をつくる大きな要素です。だからこそ、何を選んで摂り入れるかは大切で、これからも自分の内面の声を聞きながら、真剣に楽しく選んでいきたいです。
Text / 池田園子
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