数ヶ月前にボイスメッセージを使い始め、今や日常の一部になりました。その後、いろいろな人にボイスを送るようになったところ、周りでもボイスを使う人が微増(本当にわずかに)しているように感じます。一部の人たちも利便性を感じ始めたのかなと思います。
海外では若い世代を中心に、声のやりとりが当たり前になっているそうです。テキスト文化の強い日本ではそこまで浸透していない気がします。
利点を挙げるならば、テキストの方が見返しやすいといえます。一方で、ボイスには明らかなメリットがあります。それは「気持ちを乗せやすい」ということ。テキストだと冷たく事務的に伝わりそうな内容でも、声なら温かみを感じさせやすい。
もちろん、内容によってはテキストで送るのが適切なものもあると理解しています。記録として残しておくべき事柄、文字を目視したほうがいい事柄はテキストで送ります。一方で、見返すことのないような瑣末なやりとりであれば、ボイスで十分だと思うことも多いです。
誰かと別れたあとに歩きながら、その日のお礼をボイスで入れることもあります。楽しい余韻が残った声を送れるのはいいなと思っています。このやりとりは一度聴いたら、その後わざわざ取り出すことはないでしょうから、声でよいだろうと考えています。歩きながら連絡が済む点で時間を有効活用できるのも◎。
仕事で使うこともあります。何かをフィードバックをするとき、長々と文章を書くよりもボイスで説明した方が、ニュアンスが伝わりやすいケースもあります。ボイスフィードバックは私が所属している「THE ONE 新・講座型ビジネス実践会」にて、動画(Zoom録画)で講師からフィードバックを受けたのがきっかけでした。あ、これいいな! と感じたのです。以来、それを真似してボイスを使うことがあります。
相手に質問をするとき、ごく稀にボイスを使うことも。細かいニュアンスについて探りたいとき、テキストで「〜〜こういう意味ですか?」と長文を送るよりも、口頭でこちらの解釈を伝えて相違はないか伝えるほうが有効な場合もあります。
ボイスは電話とは違い、相手の都合の良いタイミングで聞いてもらえます。そのため、できる限り端的に伝えれば、相手の負担にもならないと考えています。
ボイスメッセージがもっと一般的になればいいなと思いますが、中には声を残すのを好まない人もいるのかもしれません。こちらがボイスで送っても、絶対にテキストで返してくる人もいますし、逆に「ボイス、楽でいいね。自分もボイス派です」とボイスで返してくる人もいます。人それぞれ。
私はすっかりボイスに慣れてしまいました。テキストの利便性も分かっていますが、声で伝えることでしか生まれない温度や柔らかさに価値を感じています。今後も臨機応変にテキストとボイスを使い分けるつもりです。
(とくにニコニコしながら話すような楽しい話の場合)気をつけないと1分を超えることがあるボイス。最近は「1分以内で1.2倍速を意識してシンプルに話す」練習もしています。伝えたいことを短くまとめる力をつけるためです。
ある程度の制限を設けて取り組むほうが、あらゆるアウトプットは研ぎ澄まされると感じています。時間制限があることで、言葉選びの精度が上がり、無駄のない表現に近づいていきます。ボイスは効率化だけでなく、話す技術を磨くトレーニングにもなっているような気がします。
Text / 池田園子
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