引っ越しをする理由

物件を見にいくのって、疲れませんか? 内見そのものは、特に身体を動かすわけでもなく、不動産会社の車に乗せてもらい、物件を案内してもらうだけなのに、です。

何もかもやってもらう、100%「サービスを受ける側」であるのに、それでも疲れる理由はやはりあります。

まず、新しい場所へ次々と移動すること。(今住んでいる大阪から京都まで片道1時間かかる移動時間の長さも関係しているでしょう)

車での移動中、ただ座っているだけというのも疲れます。座り続けるのは生き物にとって不自然な姿勢ですから当たり前と言えば当たり前。自分の場合、普段立って仕事をしていることもあり、じっと座る時間が長いとお尻や腰が疲れます。

今回の引っ越しは、自分ひとりの住まいではなく、パートナーと猫と一緒に暮らせる場所を探しているので、条件が増えてなかなか手強いです。ペット可物件というだけでも選択肢が限られる上、さらに予算内で探すとなると、理想的な物件に出会うのは簡単なことではありません。

家賃を25万円前後出せば選択肢は増えますが、私たちの理想は駐車場付き3LDK以上で18万円以内。16〜17万円台だとうれしいなあ……という思いです。

とはいえ、物件を見に行くのは面白いものです。築年数や間取り、設計の意図など、物件ごとに違いがあって、とくに昭和や平成初期に建てられたものだと、時代を感じられて面白い。

先日は、35年ほど前に二世帯住宅として建てられたと思しきもので、広さは100平米をゆうに超え、LDKの一角にダンススタジオですか? と言いたくなるような、一般家庭には似つかわしくない鏡の貼り方がしてある面白い物件を見てきました。

何事にも両面があるものですが、物件探しも「疲れるけど楽しい、楽しいけど疲れる」もののひとつ。条件を満たす物件と出会い、無事引っ越しを完遂させるには根気が必要ですが、それでも、より良い暮らしを思い描きながら探す時間は、決して無駄ではないはず。

そんな物件探しで忘れてはいけない持ち物のひとつにメジャーがあります。たいていの不動産屋さんは用意してくれていますが、万一のために私も必ず持参するようにしています。

直近、痛い失敗をしたことがあるからです。今住んでいる部屋は新築という点に惹かれて決めたのですが、特に何も測らずに入居を決めた結果、ドラム式洗濯機が洗面所のドアを通過できないという悲劇が入居当日に起こりました。

以来、気になる物件では必要な箇所をメジャーで測ることを徹底しています。入居後の「こんなはずじゃなかった(涙)」を防ぐために。

引っ越しは決して楽なものではありません。20年で10回の引っ越しをしてきたから、十分承知しています。

でも、必要なときにするものであり、今回の引っ越しも、今の私たちにとって必要だからこそ進めているのだと思います。疲弊しつつもできるだけ楽しみを見出しながら、もう少しだけ時間をかけて、理想の住まいを見つけたいと思います。

Text / 池田園子

【関連本】『後悔しないお引越し。: ~引越し18回、転勤族の妻が語る「理想の家の」みつけ方~

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