「どれだけ分かりやすいコンセプトか?」がいかに重要か。それは言い換えると、言語化力の高さともいえるものですが、日々それを痛感しています。今日はそんな思いから、婚活に関する音声配信について書きます。
先日、スタンドエフエム(スタエフ)で女性向け性感サービスのセラピストである康太さんとのコラボ配信を行いました。
その後、最近インプットした音声マーケティングの学びを生かし、自分が配信したジャンルと同じ配信者の新着放送に「いいね」をつけて回っていました。
音声マーケティングの先生がおっしゃっていたのが「いいね回り」「コメント回り」はフォロー以上に重要であるということ。いいねをつけることで、相手もこちらのチャンネルに足を運んでくれて、いいねを返してくれるという相互作用が生まれやすくなるといいます。
スタエフの場合、最新のアルゴリズムによると、各回の放送に平均40以上のいいねがつけば、プラットフォーム内で評価されやすくなるのだとか。
その過程で出会った放送のひとつが「赤裸々トーク⭐︎ハケン独身女の婚活」です。最初の数秒を視聴して、声がやわらかくてやさしげで聴きやすかったからか、通しで聴いたのでした。その配信者であるaiさんの過去放送も聴きたくなり、チャンネルに飛んで新しいものから順に遡って聴いていきました。
aiさんは30代終盤からマッチングアプリで婚活を始め、適宜休みを挟みながらも40代の10年婚活を続け、50歳で結婚相談所に登録して夫と出会い、結婚に至ったそう。入籍して2〜3ヶ月の新婚さんです。
彼女のチャンネルが目指すのは、「婚活を辛いと感じる人が多い中で、50代でも理想の相手と出会い、結婚できるのだから安心してほしい」といったメッセージを伝えること。婚活中は落ち込む人が多いからこそ、明るい話題を提供し、リスナーにほっとしてもらうことを目的としているといいます。
aiさん自身が婚活中に聴きたかった「希望になるコンテンツ」をつくっているといったこともおっしゃっていました。「過去の自分を救う」コンテンツって価値がありますよね。必ず、同じように苦しんでいる人はいるわけだから。
aiさんの選ぶ言葉には温かみがあり、同時に話し方も安心感を抱かせてくれるものです。最近読んだ荒木俊哉さんの『こうやって頭のなかを言語化する。』で言われていた、伝える力の高い人は使う言葉(what)も伝え方(how)も両方上手という話とリンクしました。
aiさんは「ノートタイム」と言及していましたが、自分の頭の中をノートに書き出して整理していたそうです。「贅沢だなと思うくらい、いろいろなカフェに行ってノートを開いて、自分と向き合う時間をつくってきた」とも語っていました。自問自答、自分への取材を10年近くし続けてきたわけですから、それは言語化力が高いわけです。継続は力なり。
自身の婚活実体験を交えながら、うまくいかなかったことや辛かったことも率直に話されています。といっても、過度に自虐的になるわけではなく、「辛いときはこうしていた」「こう内省していた」と、具体的なエピソードを交えながら話を展開しています。「婚活中こんな変な男がいた!」といった男性実録(これはこれで聞いてると「そんな人いるの!?」「えー!」とたまげるので面白い。アマプラで配信中の『女は愚痴りたい』で聞けます)がなく、人のいいところを見出そうとするマインドも素敵でした。
「嫉妬するのは普通」といったテーマで話す回もありました。年齢を重ねるにつれて既婚者が周りに多くなり「なぜあの人は何度も結婚できるのに自分はできないのか」「なぜみんな当たり前のように結婚できるのか」と羨ましく感じていた時期があると振り返ったaiさん。
自分の本音をさらけ出す力がありながら、柔らかい雰囲気で話すaiさんの配信は、まさに「ほっとする」時間を提供してくれるものでした。
私はaiさんと同じ女性ではありますが、状況もタイプも異なります。まず、婚活経験がありません。20代後半に同棲していた恋人が好きで、今結婚したいし結婚するならこの人がいいと思ったので、自分から「籍入れよ?」と話を進めました。当時の彼(元夫ですが)は私の圧に負けて、結婚を受け入れたのでした(笑)。また、aiさんとは逆で、男性が苦手ではないですし男友達もいます。
自分が経験のないテーマであっても、コンセプトが明確で、届けたい内容が一貫しているコンテンツに惹かれます。もちろん、まったく馴染みがないというわけではなく、私も心の穴を埋めたい時期にアプリを手段として活用したことはあります。10代の頃は恋愛暗黒期を送り、意中の人に振り向いてもらえない自分が惨めでなりませんでした。自分の人生で触れてきた部分と少しでも重なるものがあれば、それだけで引き込まれるのです。
aiさんの放送との出会いを通じて、音声コンテンツの心地よさや面白さをますます感じています。耳が空いていればいつでも聴ける音声は、身体に優しい気がするんです。これからも面白い配信者のチャンネルをときどき紹介していきます。
Text / 池田園子
【関連本】『こうやって頭のなかを言語化する。』
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