鏡を見るたび、側頭部の白髪が目立つようになっているのを感じます。5月には39歳を迎える私にとって、白髪増量というのは自然な現象なのだと思います。もちろん個人差はあり、40代以降も白髪が出ないよという方もいますが、白髪が増えるのは一般的な加齢のサインであり、現代医療をもっても防ぐことはできません。いち生物として、老いという一種の変化を認め、受け入れるしかないと考えています。
出来事+感じたことを一文で表現し、それについてのWHYを書き出したあと、結論と次なる行動を文章にするワークを続けています。『こうやって頭のなかを言語化する。』(荒木俊哉)で紹介されている方法です。
日々の中で心が動いた出来事をメモし、それを深掘りすることで自分の考えや気持ちを整理する習慣です。「今日はどの出来事にしようか?」と“ネタ”に常に敏感になっているわけですが、ある日の移動中に「白髪が増えて辛い」という言葉がふと浮かびました。
スマホを開いて音声入力で「白髪が増えて辛い」とメモ。そのあと「あれ?」と違和感を覚えたのです。
「白髪が増えて、本当に辛いのか?」と改めて問い直しました。白髪が増えているのは事実ですが、これは辛いという感情に結びつくだろうかと考えたのです。
「【結論】辛くない」でした。白髪は加齢に伴って髪に起きるピンポイントな現象であって、私自身が大きく変わるわけではありません。私は自分の外見(器)を「小綺麗にしてて、まあまあいいんじゃない?」と肯定しているので、白髪が多少混じっていても、それが何かに大きく影響するわけではないなあと。
他人には相手の内面は覗けません。ある程度、外見でその人の持つ価値観や送っている生活などを想像します。外見がすべてではないとはいえ、「経年変化していく自分を好きでいられるよう、すこやかな外見を保つこと」を目指し、意思を持って運動や食事の習慣をつくってきました。
1日5,000〜10,000歩は歩き、筋トレは毎日行い、身体が欲するものを食べ、ストレスを溜めにくい、笑顔の多い毎日をデザインする。睡眠は……遅寝早起きと乱れがちですが。白髪対策については「頭皮の血行を良くすると白髪予防に効果がある」と言われることもあり、頭皮をマッサージするなど、何かしら行動はしています。
自分の理想に対して、やれることはやっている。そう自覚しているので、見た目のちょっとした変化には左右されにくくなっているのかもしれません。
髪のほとんどが白髪になれば、そのときは変化幅が大きいため、また違う感情が生まれる可能性はあるでしょう。でも、現時点では「白髪が少し増えたくらいで何かが変わるわけではなかったし、辛くなかった」というのが今時点の結論です。
今回の気づきを通して改めて「自分の内側から出てきた言葉が本当かどうかを問い直すこと」の大切さを感じました。「辛い」が本心ではなかったように、普段何気なく使っている言葉の中にも、「本当にそうなの?」と疑問を持って問いかけてみると、心のもっと奥底にある別の思いを取り出せるかもしれません。
Text / 池田園子
【関連本】『こうやって頭のなかを言語化する。』
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