私の知見が誰かの役に立つなら喜んでシェアしたい

誰かに何かを教えるのは、価値ある時間のひとつ。というのも教える際、自分が無意識のうちに、あるいは意識して行っていることであっても、相手に伝わるよう言語化する必要があるからです。

先日、お世話になっているクライアントの社員さんに「取材・ライティングの仕方」についてレクチャーする機会がありました。

その中でやりとりした一例を紹介します。たとえば、相手に質問をした際、やや簡潔な回答が返ってきて、会話が終了しかけた場合、どうやって話を深めていけばいいのか? という課題がありました。

それに対して、まずはインタビュー前にできることとして、質問のつくりかたについて伝えました。質問自体を具体化(期間やシーン、対象などを限定するなど)することで、ぼんやりした回答が出てきづらくなること。具体的なエピソードを話してもらう中で抽象度の高い話へと移行していき、また具体に戻って異なるエピソードを引き出せるケースもあること。

インタビュー中にできることとしては、答えに対してディティールを引き出す「それはどういうことか」といった細かな問いを重ねていくこと、また「他にも同じようなシーンはあったか」といった事例の横展開を目指すことなど。相手から出てきた言葉を引き継いで、どう進んでいくかについて伝えました。

「他には?」は使いやすい問いであると『「なぜ」と聞かない質問術』にも書かれていて、こちらの書籍も多くのヒントを得られる1冊としておすすめしました。

自分が自然に行っていることも、誰かに教える場面では言葉にする必要があります。その過程で、自分がどう考え、どんな意図でその行動を取っているのかを客観視することができます。

教えることは、相手に知見を伝えるだけでなく、自分自身の成長にもつながるチャンスで、大変ありがたいこと。私の頭の中にあることが誰かの役に立ち、その人の人生をより良くしていくわずかな一助になるなら、いくらでもシェアしたいものです。今後も教えてほしいと依頼されたら、喜んで協力するつもりです。

Text / 池田園子

【関連本】『「なぜ」と聞かない質問術

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