使わなければ衰えていく——。身体の機能が分かりやすい例ですが、スキルも同様だと思います。
スキルも実践し続けることで、現状維持または更新され、逆に使わなければ自然と鈍っていくものだと実感します。たとえば「初めて会う方と楽しく会話する」というスキルもそのひとつで。
初対面の相手と話す機会がしばらくない、逆にいうと慣れ親しんだ相手と話す機会ばかりだと、会話の運び方がぎこちなくなったり、自然な笑顔が出てこなかったりして、「思うようにいかなかった」「いいパフォーマンスができなかった」と悔まれることがあります。
だからこそ、「はじめましての人と話す機会」を意識的・定期的に設けたいと考えています。先日そんな機会に恵まれました。初対面の相手と1対1で会話する場があり、そのこと自体を楽しむだけでなく、直近で学んだ方法を試す実践の場としても(こっそり)活用させてもらったのです。
たとえば、少し前に読んだ『「なぜ」と聞かない質問術』では、「なぜ」と「どう」といった疑問符を使わず、「事実を引き出す問い」を重ねていく技術が紹介されています。これを試してみると、相手を深掘りできる感覚がありました。
また、黒澤俊実さんのコミュニケーション講座で学んだ、傾聴や非言語コミュニケーションも意識して実践。初対面の方だからこそ、相手はこちらの過去を知らず、先入観もないまっさらな状態。そうなると、思いっきり表現しやすいともいえます。
「そうか。こうすると、相手が乗ってきてくれるのか」といった気づきもありました。具体的な話をすると、相手の好きな(偏愛している)物事を尋ねたとき、それに「何」「他には」を重ねていくと、どんどん披露してくれるといった具合に。あくまで一例ですが。
こうして得た話し方や表現方法についての学びは、既存の関係性の中でも応用しようと思えます。
初対面の方と話す機会は、自分を成長させてくれる貴重な場です。相手と良い関係が築ければ、それは素晴らしい出会いとして残り、一回きりで終わったとしても経験値を増やしたという点で意味があります。
今後も初対面の方と会話をする機会を自ら進んで獲得していくつもりです。
Text / 池田園子
【関連本】『「なぜ」と聞かない質問術』
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