1週間ほど続けている習慣があります。1日を終えてベッドに横たわり、目を閉じて、眠りにつく準備を完璧に整えてから行う、ささやかな感謝の時間です。
1日をスタートから回想します。ある日は目まぐるしく、ある日は比較的ゆっくり過ぎていった時間のなかで、自分と関わってくれた人々をひとりずつ思い浮かべながら、ぶつぶつと「〜〜、〜〜してくれて、ありがとう」とつぶやいていくのです。名前+行動+お礼がセットです。
まずは、最も身近な存在であるパートナーに向けて。たとえば「今日も髪の毛を洗ってくれてありがとう」「足裏のマッサージをしてくれてありがとう」「ご飯をおいしく食べてくれてありがとう」という具合に。
次に、会社のメンバーに思いを馳せます。「○○の案件で動いてくれてありがとう」「遠くまで出張に行ってくれてありがとう」「ハードな日程の案件に取り組んでくれてありがとう」など。力を尽くしてくれたこと、目の届かない場所で各自の仕事を遂行してくれたことを静かに想像しながら感謝を伝えます。
さらに、個人事業で関わる方にもお礼を伝えます。「○○の会議に参加させてくれてありがとう」「○○についての斬新な構想を共有してくれてありがとう」「○○のこまやかな対応をしてくれてありがとう」。自分ひとりでは得られなかった気づきや刺激、チームとして動いてくれたことに感謝の言葉を贈ります。
日頃通っているジムで掃除をしてくれていたスタッフさんに、「きれいな空間を保ってくれてありがとう」と伝えることもあります。誰かの仕事が自分の日常を支えてくれている。そのことに目を向けると、感謝は途切れることがありません。
不思議なことに、この習慣を始めてから、眠りに落ちるまでの時間がぐっと短くなりました。感謝の言葉を一つひとつ言語化していき、全員言い終えてからしばらくして、気づけば眠りについているのです。身体に悪影響のない睡眠導入剤のよう。
ありがとうとぶつぶつ言っているときは、基本的に微笑んでいます。仏頂面でありがとうや感謝の言葉は出てこない(笑)。穏やかな気持ちで1日を終えることができる。そんな心地よさに気づき、この習慣は死ぬまで続けていきたいです。
今後は朝にも「感謝の予告編」のようなことができたらと思っています。1日のスケジュールを俯瞰して、関わるであろう人たちの顔を思い浮かべて、鏡の前で「今日もありがとう」と言ってみる。新たな実験ですが試してみる価値がありそうです。
また実践してみて、心身に何かしらの変化があったら、ここに書き留めたいと思います。
Text / 池田園子
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