質問の力

毎日コツコツが苦手。
これ、人類皆そうかもしれない。
今年は10kg落とすぞ、とか1月1日に目標を新たに立てて、1月中にダイエットが頓挫するなんて、皆一度は体験したあるあるではないだろうか。

目的を達成できなかったとき、失敗とどう向き合うのか。
過去の自分は、目的達成に対してできなかった理由を挙げていって「なぜできなかったんだろう」を書き出す。ダイエットを目的とした毎日の筋トレ習慣という目標を立てたと仮定する。

その失敗の理由は
・仕事が忙しかった
・友達との予定を入れすぎた
・いろいろあって遅く帰ってきたので
・筋肉痛があったから
・風邪気味だった

できない理由を書いていくと分かる。一見その理由があれば筋トレができない日があってもしょうがないな、とも思える。でも、よくよく考えてみてほしい。理由に挙げている内容は日常なのだ。この日常の言い訳を使って筋トレをやらない理由にしているのだけど、世の中の結果を出している人たちは、こんな理由があっても筋トレをやっているはず。大谷翔平も孫正義も尊敬する中野優作社長も同じ人間。日常の中でちょっと苦しいな今日、とか思いながらも今日やれることは今日やって1日を終えているはず。

それなのに自分はどうしてできないのだろう。彼らと違いがよく分かっていなかった。もちろん無理しないで続けられるコツがあるのかもしれないけれど、コーチングに出会ってものの考え方がちょっと変わった。

その結果どうなったかというと、今ではHIITトレーニングという筋トレに近い自分を追い込むトレーニングが1ヶ月以上続けられている。明らかに視点がひとつ増えたことで、この結果が出ている。それは「WhyからHowへ」である。

私が過去何度も新年の目標を立てては、その目標を諦めてうまくいかなかった背景には、だいたいいつも「Why:なぜできないのか」を自問してきたからだと感じている。このWhyの問いに従って理由を挙げていくと、自己肯定感がどんどん薄らいできて自分のことが嫌になるのを実感してきた。自分のことが嫌いになるトレーニングを10年単位でしているようだった。

一方、HIITトレーニングを続けられたとき、真っ先に考えたのはHowである。どうすれば日々の生活の中にトレーニングを組み込めるかを考えたのである。具体的には仕事から帰ってきたとき、自宅の玄関のドアを開けて普段ならソファで一服して着替えてゴロゴロするという動作・行動を変えることだった。

玄関のドアを開けるところまでは同じ。そこからソファに向かって歩き、荷物を置いてソファの前で立ち止まる。そこで仕事から帰ってきたその恰好でトレーニングを始めるのだ。YouTube動画の再生ボタンをクリックし、トレーニングが始まる前に薄着になって、きているものを脱ぎ捨ててトレーニングを始める。

一服してしまえば「トレーングしようかな、いやもっとSNSみてようかな、おやつ食べようかな」などと、トレーニングをやるかやらないかで迷ってしまい「今日は疲れたからトレーニングは明日やるか」となって、結局「今日はトレーニングをしない」事実だけが積み上がってしまう。

やるか、やらないか、で迷うという無駄な選択肢を消して、やるか、やりまくるかしかない環境(やりきる環境)をどうやってつくるか。Howの視点がこのきついトレーニングの継続のKEYになっている。

キツいトレーニングをどう継続するか。
自宅に帰って一服する前にYouTube動画のHIITトレーニングの再生ボタンを押して薄着になるだけ。
なぜできなかったのだろう? とできない理由を無数に挙げることなく、行動を促進する問いを立てるだけ。

WhyからHowへ。質問の威力を実感。皆さんもぜひ。

Text / Dr.Taro

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