ある日突然、何の問題もなく履けていたスニーカーのつま先部分(特に小指部分)だけが窮屈だと感じるようになりました。38歳にして足の形が変わることなんてあるのでしょうか? 別に体重が増えたわけでもないのに。分からない……。
他の靴ではそういった違和感がないので謎です。歩いていると足先が痛くて不快なため手放したところ、スニーカーは手元に2足だけ残りました。
1足は長時間歩いていられる、頼れるランニングシューズです。少々の雨でも気にせず履いて、ジム用として2日に1回は活躍。
もう1足は、ちょうど1年前の5月、「おしゃれ用」のスニーカーとしてemmiで購入したものです。初めて履いたのは購入から半年ほど経ってからでした。その後はおしゃれをして出かけるときだけに使っていました。他の靴もあるので、月に一度履くか履かないかといった超低頻度。
以前の私であれば、毎日同じスニーカーを履くと傷むし、匂いも気になるから干して休ませたいしという理由で、手放したスニーカーに代わる「ジム用(ジム利用・長距離を歩くときメイン)」のスニーカーを1足「買い換え」ていたと思います。
しかし、月末に引っ越しを控え、ミニマルな暮らしを目指し始めた今は「靴は8足まで(レインブーツと雪の日対応のブーツ2足は除く)」と制限を設けたこともあり、買い換えはやめました。
代わりに「おしゃれする日にしか履かない」と決めつけていたemmiのスニーカーをジムでも履くことにしたんです。ベースが白なので雨の日は避け、晴れの日は積極的に履くように。
この選択は正解でした。ジムに行くときの気分がより上がったから。
色の組み合わせが気に入っているだけでなく、クッション性も高く、機能的にも優れていて、本当に歩きやすいスニーカーです。気分もパフォーマンスも良くなることに驚きました。
「お気に入りの1足だからこそ用途を限定する」のではなく、「お気に入りだからこそ日常的に使う」。これが私にとってすこやかな発想に。
我が家に来客用の食器はありませんが、よく言われる話として「来客用食器を普段使わずにしまっておく」のと同じことをしていたんだなあ、と気づきました。本当はいい食器こそ、自分のために使えばいいのに。そんな感覚。
今後もスニーカーは原則2足体制でやっていくつもりです。履けなくなったら買い替える。足はひとつしかないのですから、無闇に増やさず、持っているものを最大限に生かす。そんな靴、ひいてはモノとの付き合い方を実践していきたいです。
Text / 池田園子
【関連本】『より少ない生き方』
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