幸いなことに、私はこれまで大きな病気や怪我とは無縁で、最後に風邪をひいたのがいつか覚えていないほど健康です。
多少の疲れを感じても、一晩ぐっすり眠ればある程度は回復します。
しかし、目の疲れだけは例外です。
考えてみれば、当然かもしれません。
社会人になって20年以上、日中はパソコン作業に従事し、30代からはそれに加えてスマートフォンを使う時間も増え、目を凝らしての作業が日常となりました。
朝から晩までモニターにつきっきりで、休憩時間や移動中もスマートフォンを手放せない生活。
私の目は常に酷使され、脳も情報処理に追われている状態です。
在宅フリーランスという働き方も、拍車をかけています。
仕事とプライベートの境界線があいまいになり、会社員時代よりもパソコンに触れている時間が長くなっているのです。
目を大事にしてこなかったツケが、いよいよまわってきたのかもしれません。
そこで私が意識して行っているのが、目を閉じること。
具体的な方法としては、まず、意識的に目を閉じる時間を長くします。
パソコン作業の合間はもちろん、信号待ちや電車の中でも、数秒間目を閉じて脳内に広がる暗闇を眺めるのです。
私たちは、いつだって情報を浴びています。
電車内の吊り広告、店頭ディスプレイ、飲食店のメニュー、すれ違う人の服装など、あらゆるものが思考のきっかけになると言えるでしょう。
目を開けている限り、完全に思考を停止させるのは不可能に近いと実感しているため、デジタル機器に限らずあらゆるものをなるべく見ないように心がけています。
何も見ないことで脳が休まり、脳が休まることで体全体も休息できると感じています。
ここまでは一般的な方法ですが……。
最近では、外で目を閉じるだけでは満足できず、部屋の電気を消して過ごす時間も増えました。
家族が活動している時間は除きますが、目を開けている状態でも目を休ませるには、暗闇が有効なのではないかと考えて試しているのです。
暗闇に慣れておくことは、決して無駄ではありません。災害で停電になったときなど、暗くても普段と変わらずに行動できれば、どんなに助かるでしょう。
ということで、家族が寝静まった後、私はキッチンのコンロ上についている小さな灯りだけを点け、暗い中で廊下を歩き洗面所や他の部屋に行くようにしています。
時々、夫が起きてきて暗闇の中にいる私に気づいて悲鳴を上げることも……家族からは不評です。
暗闇の中では、物に足をぶつけたり、壁に頭をぶつけるなどの危険も伴います。
手軽に目を休ませられるメリットと同じくらいデメリットもある方法ですので、声を大にしておすすめはしません。
しかし、デジタル機器に囲まれた現代において、意識的に目を休ませることは非常に重要だと感じています。
まとまった睡眠時間が取れないときや疲れているとき、数秒目を閉じるだけでも効果が期待できます。
みなさんも、どうか安全な場所で、目を閉じる時間を取り入れてみてはいかがでしょうか。
Text / Asako Yano
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