モノの手放しで言語化できた私の弱点

連日何かを手放しています。その行為はただの「片付け」にとどまらず、大きなストレス、痛みを伴うものでした。

というのも、私はこれまで引っ越し時や暮らしの節目に、不要になったモノを「人に譲る」というかたちで手放してきました。幸いなことに「欲しい」という人がいるからです。今回もジモティー(無料で譲る)を利用したり、実家や実家経由でつながりの人々、友人などにシェアしたり。

その過程で初めて言語化するとともに、はっと気づいたのは、私は「まだ使えるものを捨てる」行為ができない体質だということでした。

壊れてもいない。汚れてもいない。破れてもいない。まだ十分使える。それなのに今の自分には必要ない。そんなモノたちを、私は「ゴミ」として扱うことができません。心が痛んでしまう。だからこそ、欲しいと意思表示する誰かに譲るという選択を取ります(フリマサイトで売るのは面倒でしない)。

その選択には労力が伴います。具体的にはやりとりの手間。自宅の外に設置したモノを非対面でピックアップしてもらうため、発送作業はしません。引き取り場所に関するやりとりはテンプレート化して効率化。

とはいえ、ただゴミ袋に入れてゴミ出しするのと比べると、はるかに時間を要します。そして、時間は命そのもの――そんなことを考えると「私のこのやり方は人生トータルで見ると非効率的であり、時間の浪費をしているようだ」と思わなくもありません。

それでも、私はこの方法しか選べません。容赦なく捨てることができない自分を責めても仕方がない。そういう性質なのだから、今回は「最後」までこのやり方でやり切ろう。そう考えるようになりました。

そして、決めたことがあります。「まだ使えるけれど今の自分には必要のないモノ」は、そもそも持たないようにすること。そうすれば、この「譲るためにかかる時間」は二度と持たなくなります。今「もったいない」と感じるこの時間は、未来に同じ過ちを繰り返さないための「投資」だと受け止めています。

手放すことは、私にとって相当なエネルギーを使う行為です。しかし、自分の弱点を知り、弱点を露出させない環境をどうつくるか? を考える機会でもあります。今、そんな時間を過ごしています。

Text / 池田園子

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