月末の引越しに備え、多くのモノを手放して巡らせる中、手元には「使うモノ」が厳選され、少ないモノが残りつつあります。
手放し、巡らせたモノの中には服も多くあります。明らかに着ていない、ほとんど出番がないという理由で「もう着ることはない」と判断できる服は、誰かに譲るという方法で手放しています。
一方で、昨シーズンに着ていた服については、手放すかどうかの判断が難しいときがあります。昨シーズンもたくさん着たから着続けるのか? 今年、もっというと、“今の自分”にそれはフィットしているのか? 出番はあったけど気になっている点はなかったか? など、いろいろな問いが生まれます。
そんなときは「着て1日生活する」方法を取ります。少しでも迷いがあるものは、1日を通してその服で過ごしてみる。そうすることで、袖丈や素材感、着心地、汗や水の跡が目立つかどうか、シルエットなど、それを纏った上で日常を過ごさなければ気づけなかったことに出会えます。昨年はお気に入り枠に入っていた服でも、現状の自分にはしっくりこないという発見もあるのです。このやり方で、気に入って3年ほど着ていた「Chaos」のアームレットTシャツを1枚、手放しました。
同様に、UNIQLOのポリエステル製パーカーも、これまで「春の羽織として必要」と思い込んで取っていた1着でした。これもある日、移動のタイミングで着てみたところ、袖口の窮屈感が気になり、この不快感を脇において「春にしか着ないものだし」「色はグレーで汎用性が高いし」と理由をつけて、持ち続けていたことに気づいたのです。
1日着てみるという行動は、その服が今の自分に必要かどうかを、感覚を通して教えてくれる力があります。それは納得感をもってモノを手放すために欠かせない時間でもあります。今の私は、手放すことを、ただ処分するのではなく、自分にとって役目を終えたモノを、感謝とともに巡らせる行為として位置付けています。
少しでも迷いがあるなら、まずは1日、終日が無理なら短時間でも着て生活を送ってみる。そうすることで「もう必要なくなった」と心と頭で認識した上で、「次」へと送り出すことができるのです。
Text / 池田園子
【関連本】『禅、シンプル生活のすすめ』
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