ボトルの「目盛り」はいらなかった。

「私が執着していたモノとの別れ」について綴る連載形式の雑記をスタートします。#2は「目盛り付きボトル」。

そのボトルは、水を入れて持ち運ぶために2021年から使っていたもので、容量は1L。目盛り付きで、自分がどれくらい水を飲んだかが一目でわかる仕様でした。材質は固めのプラスチックで、簡単には壊れない丈夫なつくり。蓋と一体化した持ち手も付いていたため、持ち運びやすく、自転車のハンドルなどにもかけられるようなデザインでした。

当時の私は、まず目盛りが付いている点に惹かれ、次にシンプルな見た目、1Lという大容量に魅力を感じ、長年愛用していました。しかし、今回手放しを進める中で、このボトルを改めて手に取り、じっくりと見つめたのです。

目盛りは消えかけていて、計量の役割を果たしていないことに気づきました。そもそもだいぶ前から目盛りを見て水を入れることもしていませんでした。500mlだけ持ち歩きたい日には、ボトルのおおよそ半分まで水を注ぐだけで、目盛りを確認することなく感覚で済ませていたのです。

さらに、使用中に感じていた不便さも思い出しました。このボトルは開閉に手間がかかり、特に自転車で出かけた際には不便でした。サイズが大きく、ボディバッグにも入れづらい上、信号待ちの短い時間にリュックから取り出し、蓋を何回もクルクル回して開けて、飲んで、閉めるのに手間取ったあと、リュックにしまうのは大変だったのです。普段はその不便さを見ないふりをしていましたが、改めて思い返すと、小さなストレスを抱えながら使い続けていたことに気づきました。

こうした理由から、このボトルを手放すことにして、次に長く使用するモノとして選んだのがKINTOのウォーターボトルです。容量500mlとコンパクトで、1回転で開けられる点で、使いやすさが格段に向上しています。ハンドル付きの形状は手でも持ちやすく、普段使いに十分なサイズ感です。目盛りは付いていませんが、私にとっては不要だったと、今ではわかります。

ボトル

この新しいボトルは、これまで使っていたものよりもさらに長い年月、愛用できそうだと感じています。そして、以前のボトルはジモティーを通じて、欲しいと言ってくれた方に譲りました。

目盛り付きのボトルを手放したことで、私は思いがけず日常の快適さを手に入れることができました。必要だと思っていた指標が実はなくても困らないこと、「1IN 1OUT」のルールをもとにより良いモノに入れ替えたことで、驚くほど心地よさを得られるのだということを実感することとなりました。

Text / 池田園子

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