一軒家暮らし、最初の洗礼

4末、京都に引っ越し、一軒家での生活を始めました。実家を出てからの20年間は、ずっとマンションやアパートといった集合住宅に住んできました。実家は一軒家でした。

実に20年ぶりの一軒家暮らしがスタートした翌日、早速「洗礼」を受ける形となりました。

これまでの集合住宅暮らしでは、24時間利用できるゴミ専用の部屋や、屋外の共同ゴミ置き場があり、誰がどのゴミを出したか分からないような環境がほとんど。実家は一軒家でしたが、50mほど先に団地向けのゴミステーションがある形式でした。一方で、一軒家ではゴミを自宅前の道路脇に直接置くケースも多く、私も例に漏れず、そのスタイルで出すこととなりました。

引っ越し翌日の朝、燃えるゴミを3袋出したところ、ゴミ収集の時間帯にインターホンが鳴りました。出てみると、近隣に住む方が立っておられ、ゴミがカラスにつつかれて散乱していることを教えてくださったのです。

外に出ると、ゴミ袋のひとつが破られ、納豆のパックや猫のトイレゴミが道に散乱していました。カラス被害はこれまで見かけたことはありましたが、自分自身がその当事者となったのは初めてで、カラスめ! なんてめざといんだ! とイラッとしたのでした。

その方によると、この辺りはカラスが生ゴミを狙っていることが多く、新聞紙やチラシなどで袋の内側や生ゴミを覆い、中身が見えないようにするか、カラス対策ネットを使うかといった対応が必要とのことでした。調べてみたところ、カラスは視覚が発達していて、ゴミ袋内の生ゴミを簡単に見つけてしまうそうです。そのため、目隠しがとても効果的なのだと知りました。

京都市ではゴミ用ネットの貸し出しも行っていますが、対象は5世帯以上まとめて使う場合(ということは集合住宅)に限られているとのことで、一軒家に住む私の場合は自分でネットを購入する必要がありました。

ただ、気ままな賃貸暮らしということもあり、いつまで京都市に住むかは分かりません。ほかで使う機会がない可能性もあるため、いきなり購入するのは控え、まずはできる工夫を試してみることにしました。

例えば、ポストに投函されるチラシを利用してゴミ袋を包む、あるいはカラスが嫌うにおいを活用する方法など、いろいろと調べて実践できることから始めてみる予定です。街中を歩くと、新聞紙などでゴミ袋を覆って出している家庭を多く見かけるため、まずは身近にあるもので工夫しようと考えています。

一軒家に住むことで、こうした生活の知恵が求められる場面に早速出会いました。これからも、日々の暮らしの中で得た学びや工夫を大切にしながら、久々の一軒家生活を楽しんでいきます。

Text / 池田園子

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