「私が執着していたモノとの別れ」について綴る連載形式の雑記。#5は「ガードル」。もっと抽象度を上げると「窮屈なインナー」です。
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2021年に初めてガードルを買いました。
それまでガードルを着用する発想はなく、1枚も持っていませんでした。ガードルとは無縁の暮らし。
そんな中、田中みな実さんが同年、PEACHJOHNとコラボして『ファーストガードルBOOK』を販売開始した前後、女性向けメディアで「ガードルでボディメイク」というテーマがブームになったんです。
記事を読んで、私もワコールで2着、購入しました。半年後には、中身が気になるなあという思いもあり、買おうかどうか迷っていた『ファーストガードルBOOK』(ガードルが入っている)も購入。
BOOKの付録というより、メインコンテンツともいえるガードル(1枚)を合わせて、ガードルは合計3枚に。企業のマーケティング戦略に安易に乗っていました。
しかし、履く機会はほぼありませんでした。
普段ショーツしか履かない私にとって、丈が長く締め付け感のあるガードルは、快か不快でいえば不快でした。着脱の手間もストレスに。ガードルはしばらくして、インナー収納の底で眠ることになりました。
ときどきモノを整理するタイミングで、まずは2枚を手放したものの、「念のため、1枚くらいは残しておこう」と思って保管していました。しかし、やはり履かないまま。
「念のためにモノを残す思考」が役に立ったことってないなあ、と思いました。念のため=万一のため、ということですが、万一のためにガードルを残すってどういうこっちゃ? という感じでもあります。
私はそもそも、身体を締め付けることが好きではありません。ワイヤー入りのブラも早々に手放し、ワイヤーレスのタイプを愛用していました。締め付けのあるモノに対して、もともと抵抗感・拒否感を持っていたのです。そんな自分の性質を知りながら、流行に流されるままに購入したこと、さらに買い足したことまでを振り返ると、過去の自分を愚かに感じます。最初から結果(=使わない)は見えていたはずなのに。
ガードル購入〜手放しの過程を振り返って改めて感じるのは「自分が心地よくないと感じるものは、たとえ流行していても、自分には必要ない」ということです。
ガードルを着用することでスタイルをよく見せたい、服をきれいに着こなしたい、という期待はありました。そんな期待をする以前に、その商品から期待される効果より、自身のスタンスに合っているかどうかを確かめるべきでした。
「選ぶこと」と同じくらい、「選ばないこと」も大切にしていきたい。そう思いながら昨年、私は最後に残していたガードルも手放しました。
Text / 池田園子
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