広告を見ない環境を整えると、購買行動は変わる

手元にモノが十分にあるにもかかわらず、新たに購入してしまうことがあったのは、「Web広告」の影響も一因でした。

すべての広告に影響されるわけではありませんが、自分の興味のあるジャンル、たとえば美容やファッションに関するものは、広告を繰り返し見る(一度詳しく見たあとは、長いこと追いかけられますからね)ことで気になり、しばらく吟味した末に購入へと至ることも。特に、SNSに表示される広告の影響は大きかったように思います。

こうした自分の購買行動を見直した結果、実行に移したのは「広告を見ない環境を整える」ことです。大きくふたつのことをしました。

ひとつ目は、広告をブロックするブラウザ「Brave(ブレイブ)」の利用です。数年前にBraveの存在を知り、YouTubeを広告なしで快適に視聴するために、有料会員にならずに済む手段として導入しています。

 

仕事ではGoogle Chromeを使い、所属やプロジェクトごとにプロファイルを使い分ける一方で、SNSやWebメディアを閲覧する際にはBraveを使用するように。これにより、私が興味関心を持つECショップやサービスなどの広告が表示されることがなくなり、広告を見る機会自体が圧倒的に減りました。

Braveはとても快適で、日常的に不要な広告に触れることがないため、購買欲を刺激されることも自然と少なくなりました。

ふたつ目は、X(旧Twitter)の個人アカウント削除です。2009年頃から運用してきたアカウントのフォロワー数は8,500人を超えていました。数だけを見れば一定の実績はありましたが、X経由で仕事が発生したことはほぼなく、興味のない投稿や広告を目にする機会も多く、以前から「アカウントの保持に意味があるのだろうか」と疑問を感じていました。

ただ、持っておいても損することはない、という思い込みから運用を続けていたのです。しかし、また別の機会に書きますが、今の私にとっては個人アカウントを持つデメリットはあれど、メリットはなく、4月上旬にアカウントを削除しました。それ以降、仕事以外でXを閲覧することもなくなり、広告に触れる頻度がさらに減りました。

何かをする・しないどちらの場合でも、そのための環境を整えることが大事です。私の場合は、Braveの利用とXアカウントの削除、このふたつの行動によって、広告に触れる機会を大幅に削減することができました。

広告を見ないだけで、購買行動は驚くほど変わります。見ない、は知らない、ということ。不要な情報を知らない、というのは心地よいことでもあります。余計な情報は入れなくていいんです。その分、余計じゃない、必要なことを考えていられるから。

デジタル上での検索・比較といった買い物に関連する時間の浪費が減りました。「今日仕事が終わったら、このブランドのECサイトをじっくり見よう。夜の楽しみができた」などと、夜遅い時間帯にネットサーフィンをしていた、以前のような自分は消えました。

その代わりに、自分にとって本当に必要で上質なモノだけを持つ、揺らがない暮らしに、少しずつ近づいていると感じています。

Text / 池田園子

【関連本】『こうして僕はX(Twitter)をやめた

毎日をもっと楽しむヒントをお届けします。
「SAVOR LIFE」では、生活をより豊かにするためのアイデアや情報を発信しています。会員様限定のお知らせや限定コンテンツをニュースレターでお届けします。ご登録ください!