私がお金を使う上で重視している点がふたつあります。「納得できる金額かどうか」と「誰にお金を使うのか」です。
このふたつの点を改めて意識するようになったきっかけは、ある手帳の購入でした。
普段、私は手帳に多くを求めず、高額なものを買うことはありません。しかし、今年は約7,000円の「陰陽五行手帳」を購入しました。これは私にとって大きな決断でした。
手帳には陰陽五行の基礎知識や、毎日の干支、週・月・年ごとの指針などが記されており、ページを開くたびに日々のヒントが得られます。私は3年ほど陰陽五行論を学んでいますが、その内容は難解で忘れやすいため、日常的に触れられるこの手帳に魅力を感じたのです。
先日、この手帳の話を友人にしたところ、彼女は約25,000円の手帳を使っていて驚きました。その手帳には講座受講などの特典が付いているとのことですが、私には高額すぎます。今使っている陰陽五行手帳は気に入っていますが、もし友人の手帳と同じ値段だったとしたら、購入しなかったでしょう。
この経験から、お金の使い道と金額への納得感は人それぞれだと改めて実感しました。
もうひとつ重視しているのは、「誰にお金を使うのか」という価値観です。大切なお金なので、好きな人や応援したい人にお金を使いたいと考えています。
全ての商品やサービスを細かくチェックするのは難しいですが、例えば、動物実験を行う企業や遺伝子組み換え食品関連企業、それらへ出資する企業の商品やサービスは避けるようにしています。
投資についても同様です。業績や将来性などの客観的なデータに加え、「その会社を好きかどうか」という主観的な要素も重視しています。たとえ利益が大きくても、好きになれない会社にはお金を託したくありません。子どもたちが安心して暮らせる社会の実現に貢献したいからです。
また、現在住んでいる賃貸マンションのオーナーは、近くに畑を持つ初老の男性です。いつも気持ちの良い挨拶をしてくれて、部屋の修理に来る際には、畑の野菜をお土産に持ってきてくれます。
自分のものにならない部屋に家賃を払うのは、本来あまり気持ちの良いものではありません。しかし、オーナーの人柄に触れるうちに、感謝の気持ちを抱きながら家賃を支払えるようになりました。
目先の利益に目がくらみ、無駄遣いしそうになることもあります。そんなとき、「その金額に納得できるか」「支払いたいと思える相手か」と自問し、お金の使い方を判断するようにしています。
個人のお金も、消費や税金を通して社会を循環し、影響を与えます。そう考えると、自分のお金は社会のお金でもあると言えるでしょう。自身の価値観を大切にしてお金を使うことで、より良い社会に貢献できる。それがお金に対するマイルールです。
Text / Asako Yano
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【関連本】『陰陽五行でわかる日本のならわし』
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