5月から京都市内に住み始めました。近所には小規模な惣菜店がたくさんあって、毎日ただ歩くだけで楽しいです。こうした地元の店のうち、気になるところは全部、一度は利用してみたい。そんな思いです。
ただ、今日はテイクアウトしようと思ったとき、迷うほどの選択肢の多さ。外食もしたいし、家でごはんもつくりたいし、地元のスーパーそれぞれが趣向を凝らした弁当や惣菜も買ってみたい。
そうなると、惣菜店で買い物をする機会も限られます。1食1食が真剣勝負。だからこそ、惣菜店を利用するときは、 “少しずつ楽しむ”という小さな工夫をしながら日々を過ごしています。
たとえばある日、パートナーが仕事で不在だった夜。ひとりで夕食をとる日で、今日は気になっていた惣菜店と弁当店、両方に寄ろうと思い立ちました。
弁当店でボリュームのある弁当をひとつ買ってしまえば、それで夕食の大半はカバーできてしまいます。そのため、弁当店では弁当を買うことはせず、あえて小さなおむすびをひとつと、3個入りの唐揚げを1パック選びました。次に立ち寄った惣菜店では、季節の野菜の酢漬けと春巻きを購入。
合計で4品、ふたつの店で少しずつ買い揃え、夕食の完成です。合計で950円ほど。手頃な価格で2店舗の味を楽しむことができました。
こうして“少量を、いろいろなお店で”というスタイルは、食事をより豊かにしてくれるだけでなく、地域の複数の店にごく小さな貢献もできる方法。
もし再訪したい店と出会えたら、次は家族がいるときに利用すれば、もっといろいろな種類を食べられます。まずは「自分ひとりでお試し」として楽しむのもアリです。あの店に行ったよ、といった会話のネタにもなります。
店が多いからこそ、一度にたくさん買うのではなく、少量ずつ。ある意味で欲張りかもしれませんが、そんな「少しずつの贅沢」を、京都の街で楽しんでいます。
Text / 池田園子
【関連本】『新装版 京都 ものがたりの道』
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