モノを減らしたらアイデアが溢れてくる現象

1〜2ヶ月で300個近くのモノを減らし、生活をシンプルにしていく過程で、自分の中に大きな変化が生まれました。

今以上にモノを増やしたくないので、「モノが少ない状態を保つには、できる限りモノを増やさずに、今あるモノを生かしきる」考えが定着したのです。

これまでのように「ないなら買えばいい」という発想は消えました。今あるモノでどう目的を果たすかを考えるようになり、その過程で自然と創意工夫が増えていきます。結果、日常生活の中で新たな発見や試行錯誤が増え、それが記事のタネ(ネタ)になっていくのです。

この「SAVOR LIFE」運営においても、前は「今日は何を書こうか?」と考える日もありました。ネタに困る日も稀にあったんです。

2023年5月から2年1ヶ月、毎日1本更新しています。月に5人ほどの外部の著者さんに寄稿いただくにしても、自分で月に約25本×25ヶ月=約625本もの記事を書いてきたわけで、そりゃあネタも尽きそうだなあといったところ。

でも、それは「昔の私」の話です。今では、アイデアが次から次へと浮かんできて、1日1記事では追いつかないほどになっています。記事の予約設定も1週間以上先までできていて、1日2記事でもアップできそうな勢いに。

これまでモノが多かった頃は「必要だと思うなら買えばいい」と考えていました。Amazonで1クリックで注文できて、翌日には欲しいモノが届きます。けれど今は原則「買わない」を前提にしているため、自然と「どうするか?」という問いを持つようになりました。その思考プロセスこそが、私にとって大きな意味を持つアウトプットになります。

たとえば「これはお金をかけずに、家にある◯◯で代用したらどうだった」といった記録を残す場合、私自身の思考のプロセスや試行錯誤、つまり“その人にしか書けない内容”が詰まっています。

お金を使ってスピーディーに解決するほうがラクだとは理解できます。でも、モノが少ないからこそ、モノを安易に増やしたくないからこそ生まれる創意工夫の力は、生活を豊かにするだけでなく、普段使っていなかった部分の脳を使い、ひらめきと出会うきっかけにもなるのだと実感しています。この工程を「楽しい遊び」だと心から感じています。

Text / 池田園子

【関連本】『あるもので工夫する松本流ケチ道生活

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