食材系生ゴミの冷凍保管。虫対策をスタート+杵築市の話

少ない生き方、持たない生き方への興味関心が高まるにつれ、ミニマリスト系の方々の書籍を読む機会が増えました。ここでは『月5万円で杵築市セミリタイア生活』(隠居人リョウ)に書かれていた「生ゴミはゴミの日まで冷凍して保管する」方法を実践し始めた話をします。

特に夏場、悩みの種となるのが「食材系の生ゴミ」の扱いです。私が暮らす地域では、燃えるゴミの回収日は月・木の週2回。一部の集合住宅のように24時間ゴミ出し可能な恵まれた設備はなく、当日朝にしか出せない個別回収方式です。

生ゴミは回収日まで保管しておかなければなりません。ただ、ゴミ袋に普通に捨てていると、気温が高くなってきたときに腐敗が進みやすく、虫やゴキブリを呼び寄せる可能性も大いにあります。

そのため、食材系の生ゴミを冷凍する方法は賢いなと感じました。『少ないもので料理する シンプルな台所で、ミニマム・クッキング』(ドミニック・ローホー)でも、生ゴミを冷凍保管するミニマリストは多いと書かれていました。

早速やってみます。野菜や果物の皮、種、肉の脂身、魚の骨などは、冷凍庫に入れた「食材系の生ゴミ冷凍用」とした1枚の袋へ、流しの掃除をするたびに入れるように。

このときに使う袋は、丈夫そうな食材の空き袋(プロテイン、お菓子、ナッツなどを食べ終えたあとの袋も重宝します。チャック付きの袋も役立ちます)やスーパーの店員さんが肉や魚のパックを包んでくれたポリ袋などを再利用。

ゴミ回収日の朝になれば、冷凍庫からその袋を取り出して、ほかの燃えるゴミとともに捨てる。たったそれだけですが、すぐに冷凍するので、臭いが気になることはなくなり、虫が湧くのを防ぐには十分な方法です。

これから本格的な夏が来たとき、食品の包装に付着した脂汚れから虫が湧く可能性もあるかもしれませんが、まずはこのやり方をしばらく続けてみます。

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おまけ。杵築市について。

冒頭の『月5万円で杵築市セミリタイア生活』は、大分県杵築市という「家賃が日本一安い町」として有名なところで暮らすミニマリスト男性が書いた作品です。

杵築市を知ったのは比較的最近です。帰省したとき、弟と話をしていると「家賃1万円以下で住める物件がたくさんあるから注目しとんよ」と聞きました。1万円? あり得ない金額なのはなんで? と聞くと、こんな説明が。かいつまんで書きます。

杵築市が「家賃が日本一安い町」になった、いや、なってしまった背景には、1999年のキヤノンの工場進出があります。当時、約3,000人の人々がそこで働くこととなり、杵築市は従業員用のワンルーム賃貸物件の建設を全力で推進したそう。明らかに需要があるわけですから、アパートはどんどん増えていきます。

しかし、2008年のリーマンショックで、キヤノンは大幅な人員削減を実施し、派遣切りも進行。会社が社宅として借り上げていたアパートの契約は打ち切らざるを得ず、空室が急増し、供給過多になったといいます。

この結果、杵築市では家賃相場が暴落し、1万円程度で単身世帯のアパートを借りられる状態となっている、という状況なのだとか。弟の解説を聞いてびっくりしました。

その後、検索してみるとその通りで、都会暮らしに慣れているとたまげるような家賃の物件が多く見つかります。

賃貸オーナーにとっては17年近く、厳しい状況が続いているといえますが、生活コストを下げて静かに暮らしたい人にとっては、ひとつの選択肢だと感じました。私もコストを最低限に抑えて暮らさざるを得ない状況になったときは、住む場所の候補地のひとつとして頭に入れておきます。

ちなみに弟がなぜ杵築市に詳しいのかというと、車があって運転もできる弟は実家暮らしを自分なりに楽しんでいますが、少ないコストでひとり暮らしできる場所もリサーチしていた様子でした。

弟の考え方やある種のミニマルな生き方、無頓着さは私にとっては興味深く、羨ましさを感じることもあり、別の機会に書きたいと思います。

Text / 池田園子

【関連本】『月5万円で杵築市セミリタイア生活

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