自転車移動も楽しい京都

京都に来てから、自転車でいろいろなところに出かけるようになりました。夏場は自粛するかもしれませんが、片道5〜6km圏内であれば自転車一択です。バスを使うことはほとんどなくなりました。最後にバスに乗ったのは3週間くらい前のことです。今では徒歩か自転車移動ばかりで、コンパクトシティ福岡で暮らしていたときの感覚に近いです。

京都は「今どのへんにいるのか?」が分かりやすいからこそ、自転車に手が、いや足が伸びるのかもしれません。ご存知のように碁盤の目のように縦横に通りが並んでいて、その交差点の名前にも特徴があります。「西大路四条」「堀川今出川」「烏丸御池」など、南北を走る通りが先、東西を走る通りが後という表記ルールで付けられたであろう交差点が多く見られます。たとえば堀川今出川は、南北の堀川通と東西の今出川通が交わる地点です。

ただし、一部の交差点でそのルールが逆になっているところがあったそうで、数ヶ月前ニュースになっていたのは記憶に新しいところです。

私の主な活動拠点である鴨川の西エリアでは、南北の通りだと西大路通、千本通、堀川通、烏丸通、河原町通を押さえておけば十分。東西の通りだと、活動範囲でいうなら、南から五条通、四条通、御池通、丸太町通、今出川通、北大路通あたりを押さえておけば問題なし。私の感覚では堀川通、北大路通は自転車用の道も広く取られ、移動しやすくてありがたいなあと感じます。

こういうルールっぽいことと主要な通りの位置関係をざっくりとでも頭に入れておくと、今自分がどのあたりにいるのか、次に行きたい場所に向けて、おおよそどっち方面に行けば良いか方針を立てやすくなります。地図を見ても「?」となることがある私でも、なんとか迷子にならず過ごしています。

京都には細い通りも縦横無尽に張り巡らされています。自転車で一度通ったことのある通りを今度は歩いてみる、といった経験を繰り返すうちに、その通りの特徴やそこに並ぶ店などが頭に入ってきます。ゆっくりしたスピードで、ゆったりとした気持ちで歩いて巡ると、自転車だと気づかなかった店や建物を発見する楽しさがあります。

バスよりスピード感を持って移動できる自転車、小径の探索に適した徒歩。ふたつの楽しみ方で、日常のなかで小さな気づきや出会い、そこから生まれる人との会話を味わっていきたいです。

Text / 池田園子

【関連本】『新装版 京都 ものがたりの道

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