「生活改善欲」は持ち続けたい

以前「ゴミ箱を持たない暮らし」について書き、指定ゴミ袋をステンレスのワイヤークリップに引っ掛けて使っていると紹介しました。

最初のうちは「問題なさそう」に見えましたが、日を重ねてゴミが溜まっていくと、袋の重さでゴミ袋の紐がクリップに食い込むように。ゴミ出しの日に取り外す祭、紐がワイヤーに引っかかってなかなか外れない……と、悪戦苦闘したこともあります。仕方なく紐を切り取ったことも。

昨日とあるお寺の掲示板で「人生に無駄なことはひとつもない」と書かれてあるのを見て「いや、ここにありますよ!」と、秒で反論しました。数十秒程度の時間とはいえ、「ワイヤーに食い込んだゴミ袋の紐を取り外すこと」は明らかに無駄な時間。

なんとかならないかなと考え、行き着いたのが余っていたS字フックの活用です。S字フックを使えば、袋の重さが増しても引っかかって外しにくくなることはありません。袋を替える日に引っ掛けて、ゴミ出しの日に外すだけ。なんて美しく、無駄のない動作。ゴミ捨てが圧倒的にスムーズになりました。

この小さな工夫を通して、改めて「自分の快・不快に敏感になり、不快を快に近づけるために考えること」の大切さを実感しました。不快だと感じた部分をそのままにせず、取り除いていく。その積み重ねこそが、暮らしの質を上げていきます。

物欲や所有欲のような欲は、できる限り手放していきたいですが、「生活をよりよくしたい」という“改善欲”は持っていたい。しかもそれが、新しいモノを買うことではなく、今あるモノで工夫しようとする姿勢であれば、お金が出ていくこともありません。

「ちょっとしたストレスを見過ごさず、解決に向けて動く」意識と行動をやめずに生きていきたいです。

Text / 池田園子

【関連本】『京都流節約生活術

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